2009年度運動方針

はじめに

私たちは,第69回定期大会(2007年10月20日開催)で,自治体改革運動の推進と政策・制度要求の実現,賃金・労働条件の改善,平和運動と政治活動の推進を運動の基本として,組合員の総意と参加により,要求の前進と組織強化を図ることを基調とした2008年度運動方針を確認し,活動してきました。
 これまでの活動では,政府による国民・自治体を犠牲にした国の財政再建や公務員総人件費の削減政策が強力に推し進められていることに加え,引き続く厳しい地域経済・雇用情勢や市の財政状況の中で,地方自治や地方財政の確立に向けた取り組みを進める一方で,置かれている現状を全体で認識し,将来的な見通し等も踏まえた運動を追求してきました。
 特に,事務事業・組織機構の見直しをはじめとする行財政対策や各種の行政課題に対応する中で,職場段階から効果的な公共サービスのあり方など,自治体改革に向けた議論や置かれている状況の認識を深めることができました。
 こうした活動によって,一定の成果をあげることができたものもありますが,不十分な取り組みや結果となったものなど,多くの問題点や課題もあります。特に,格差社会の拡大などによって,公務員に対する目がさらに厳しくなってきている中で,労働組合としての取り組みやその結果を組合員へ十分に周知しづらい状況になってきており,それぞれの運動に対して,その意義が組合員に十分に説明や周知ができたかどうか,また,一人ひとりが参加した気持ちが持てたかどうかや,その成果と結果を組合員全体で共有できたかなど,その周知方法や支部機能なども含めて十分に総括し,今後の運動に反映させていかなければなりません。
 市場万能主義的改革がもたらした地域や労働者の格差がさらに拡大し,地方財政の危機的状況や私たち公務員労働者の置かれている状況が一段と厳しさを増してきている中で,組合員の生活や労働条件等を踏まえながら,行財政改革や給与制度の見直し等への対応をしてきましたが,さらに先を見据えた運動の実践と改革が必要となってきています。また,あらゆる格差や社会保障制度,自治体財政などの問題に対して,地域住民とも連帯した運動も創り上げていく必要があります。
 あらためて,労働組合としての意義や役割を再認識しながら,「自由・公正・連帯」の社会の実現をめざし,地域性を活かした住民のための地方自治の確立と組合員の生活と権利を守るための運動方針を組合員の総意で確立し,全組合員の参加と行動で運動を進めます。

A 運動の基本的考え方と主目標

1 運動の基本的考え方

私たちは,自治労に結集して,国内外の情勢の変化や置かれている状況を的確に捉えながら,市場万能主義的改革がもたらした格差社会の進行に歯止めをかけるとともに,組織強化と地域に基盤を置いた労働運動を追求し,私たちのめざす「自由・公正・連帯」の社会の実現と労働条件の改善に向けて,以下の4点を基本に運動を進めます。
(1) 真の地方分権の推進や自治体財政の確立,効果的で質の高い公共サービスの確立をめざして,自治体改革運動を推進します。
(2) 少子・高齢社会における社会保障制度の充実や環境自治体づくり,男女平等参画社会の実現など,公正な社会の実現とセーフティネットの構築をめざします。
(3) 賃金・時短等の生活改善と民主的な公務員制度改革の実現をはじめとする諸権利の前進,労働安全衛生の確立など労働条件の改善をめざします。
(4) 平和と民主主義・人権を守る運動と私たちの求める社会の実現のための政治活動を推進します。

2 運動の主目標

B 私たちを取り巻く情勢の特徴

1 国際情勢の特徴

(1) 市場原理主義に基づく新自由主義経済政策は,東西冷戦の終焉によって,その動きを加速させました。先進資本主義諸国や多国籍企業は,一層の経済支配を強めようと多くの開発途上国へ介入し,貧困と激しい生き残り競争を押し付けています。こうした先進資本主義国による世界的な市場支配の構造は,貧富の格差拡大を一層助長し,労働者の暮らしと社会に大きな影響をもたらしています。
(2) アメリカは世界最大規模の軍事力を背景に,世界中で経済利益を追求してきています。その中でも,オイルマネーを狙った中東政策においては,イスラエル支持を基軸とした増悪の連鎖を生み出し,地域間紛争や戦争へと発展するという必然的な状況が生まれ続けています。2001年9月に発生した「アメリカ同時多発テロ」以降,ブッシュ大統領はイラン・イラク・北朝鮮をテロ支援国家として「悪の枢軸」と位置づけ,2003年3月にイラク戦争を開始しました。イラク国内で保有しているとされた大量破壊兵器は無かったとアメリカ自身が認める一方で,終戦後に行われたイラク国政選挙後も事実上の占領支配を続けていることに対して,更なる武装勢力の抵抗による紛争が続いています。また,冷戦終結後の経済・軍事を巡る情勢変化に対応して,米軍の機能強化をはかる世界的な軍事再編(トランスフォーメーション)が,世界各国の軍事バランスを不安定にさせ,更なる緊張・混乱を招いています。
(3) イラク戦争は,アメリカが関わった第2次世界大戦の3年8ヵ月,第1次世界大戦の4年4ヵ月をはるかに超えてしまいました。2001年の9・11以降のアフガニスタンとイラクにおける米軍の戦費は 3,500億ドル(約38兆 624億円)で,朝鮮戦争(1950〜53年)の戦費を現在のドル価値に換算した額をも超えたと言われています。さらにノーベル経済学者のスティグリッツは『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』という著書で,「イラク戦争でのコストは少なく見積もっても3兆ドル(約 320兆円)」という額をはじき出しています。イラク戦争では,すでに米軍兵士の死者は開戦5年目の3月で 4,000人を超えました。しかも最近はアフガニスタンでのタリバン勢力の攻勢が激化し,治安が急速に悪化しており,今年8月26日には,日本のNGO職員,伊藤和也さんが拉致・殺害される事件も発生しました。駐留外国軍の死者は,5月にはイラクでの死者を上回る事態になっています。ブッシュ政権下の7年半は,「テロとの戦争」一色でした。経済の疲弊と格差の拡大をもたらし,米国の失業率も 5.7%に悪化(7月)するなど,世界経済にも大きな打撃を与えています。 民主党の大統領候補に内定したオバマ上院議員は「大統領就任後16ヵ月以内に駐留米軍の撤退を完了させる」ことを明言し,7月下旬からイラク・アフガニスタン・パレスチナ自治区・イスラエルに引き続き,ヨーロッパ諸国(ドイツ・フランス・イギリス)を歴訪しました。ベルリンでは20万人の市民から熱狂的な歓迎を受けるなど,世界の世論はアメリカの政権交代,戦争政策からの転換を強く望んでいることを明らかにしています。
(4) アメリカ経済は貿易赤字に加えて財政赤字を抱えており,これを支えるためアメリカ主導の社会・経済システムを全世界に浸透させようと,政治・軍事・経済・金融・情報などのあらゆる分野で「超大国」化を図ろうとしており,日本をはじめとする同盟国から資金が集められています。
(5) ヨーロッパ各国の単一市場を目指して結成された欧州連合(EU)は,2007年に27カ国体制となっています。市場の拡大により激化する競争から市民・労働者を守り,格差拡大に歯止めをかけるため,不当解雇や市民の基本権擁護などを盛り込んだ欧州憲法は,全加盟国の批准が必要となるため,2005年以降批准に向けた手続きを各国で開始しています。しかし,フランス・オランダの国民投票において批准が否決され,2007年からは欧州憲法を簡素化し発効させる動きとなっています。
(6) 国際通貨基金(IMF)や,世界貿易機構(WTO)などによる経済グローバル化の推進は,先進国の大規模資本による世界支配となって現れています。南北格差が依然として拡大する中で,開発途上国では民族紛争や経済危機が多発し,慢性的な財政赤字とインフレが続くなか,国民生活へ多大な影響を及ぼしています。中南米では,市場原理主義に反対する左翼・中道政権が次々に誕生し,連携を強めています。
(7) 東南アジア諸国連合(ASEAN)は,「政治・安全保障」「社会・文化」での連携を深める共同体の設立を,当初目標より5年前倒しして2015年までに設立するため,ASEAN憲章の批准を進めており,2008年のベトナムの批准により,10カ国中5カ国で批准されるなど,多国間協力が進展しています。その一方で,北東アジアでは,北朝鮮による核開発問題や拉致問題をめぐる6カ国協議において,今年6月に北朝鮮が核計画の申告を議長国・中国に行いました。それを受けてアメリカは,テロ支援国家指定解除を進めるなか,拉致問題の解決に向けての具体的な取り組みを期待する,拉致被害者家族をはじめとする日本国民の思いは置き去りとなったままとなっています。中国では,驚異的な経済発展の一方で,WTO加盟によって外資系企業の投資が増えるなど過剰投資が進んでおり,資金投入される都市部と過疎地域との経済格差は大きく広がっています。さらに,開発促進による環境破壊の問題も大きくなってきています。
(8) 8月8日に勃発した南オセアニア自治州へのロシア軍介入を契機に,「米ロ新冷戦か」などという時代錯誤的な言葉まで飛び出しています。一部の国だけによるのではなく,まさに国連主導の平和構築が問われています。

2 国内情勢の特徴

(1) 内閣府が8月13日に発表した今年4−6月期の国内総生産(GDP)は,物価変動を除いた実質で前期比 0.6%減,年率換算で 2.4%減となり,需要項目別に見ると,家計消費が前期比 0.5%減,住宅投資 3.4%減,公共投資 5.2%減,輸出 5.2%減と主要項目が軒並みマイナスとなり,設備投資が横ばい圏内の動きながら若干減少して 0.2%減となっており,いわば総崩れの形になっている状況で,輸出の減少に加え,原油や食料品価格の高騰を背景に,設備投資や個人消費の落ち込みが響いたと言えます。 政府は,ようやく8月の月例経済報告で,「景気は,このところ弱含んでいる」と景気の後退を認め,緊急経済対策の取りまとめに着手しましたが,遅きに失したと言えます。
(2) 総務省が7月25日に発表した全国消費者物価(6月)は,15年ぶりの高い伸びとなりました。生鮮食品を除く総合指数が前年同月より 1.9%上昇し,9ヵ月間連続で上げ幅も拡大傾向です。8月も原油や輸入穀物などの高騰を背景に,食料品などの値上げが相次ぎ,9月にはビール・コンビニ業界,10月には政府引き渡し小麦価格も大幅に上がる見通しになっているなど,国民生活はますます悪化しています。
(3) 一方,パートやアルバイトなど非正規雇用労働者の割合(2007年)は,35.5%と過去最高を記録し,20年前の2倍近くに上昇しました。昨年の自殺者は3万 3,093人で,1998年以降10年連続で3万人を上回り,60歳以上の高齢者や働き盛りの30歳代が,いずれも過去最高を記録しました。生活保護受給者も増え続け,日本最大の日雇い労働者の街・あいりん地区(大阪市西成区)では16年ぶりの暴動も起きています。小泉・安倍内閣で進められてきた新自由主義的「構造改革」は,国民の中に深刻な格差を拡大してきましたが,福田内閣も基本的にはこの路線を継承しました。
(4) 日本経団連が2007年12月に発表した経営労働政策委員会報告では,「横並びで賃金を引き上げていく市場横断的なベースアップは,すでに過去のものになっており,もはやありえない」とし,成果主義の徹底と非正規労働者の増加を進めようとしています。
(5) 2001年に閣議決定された「公務員制度改革」は,署名行動をはじめとする様々な取り組みによって法制化を阻止してきたものの,政府はILO勧告を無視し,労働基本権を制約したまま,能力実績主義の賃金制度が人事院勧告を利用して先行導入しました。2007年に国家公務員法が改正され,新たな人事評価制度の構築など,労働基本権を制約したまま,使用者側の権限が強化されました。地方公務員法改正案は継続審議になっているものの,2008年6月には国家公務員制度基本法案を成立させています。争議権を奪ったままであり,協約締結権についても不透明であるなど,民主的な公務員制度改革とはほど遠い状況です。
(6) 年間総労働時間は,常勤労働者では2005年で 2,009時間とここ数年横ばいであり,時短は進んでいません。日本経団連は「ライフ・ワーク・バランス」と言いながら,ホワイトカラー・イグゼンプションを提唱し,「自律」の名のもとに労働時間の弾力化と称して裁量労働の拡大と不払い残業の合法化を持ち込もうとしています。自治体職場においては,休息時間を廃止し,実質的な労働時間延長が行われてきています。労働者保護のための労働法制が緩和され,長時間労働や労働強化が一段と進められようとしています。,
(7) 1990年代から進められた規制緩和・構造改革は「骨太方針」により加速し,市場万能主義の徹底により,企業利益が好調に推移する一方で,低賃金労働者の増加や医療・介護・年金などの社会保障制度の切り捨てが進められ,社会から安心・安全が奪われています。「ワーキングプア」,格差や貧困が世代を超えて引き継がれるなど深刻な問題となっています。
(8) 「骨太方針2006」以降の地方財政の圧縮と社会保障費抑制は,すでに限界にきており,地域医療の崩壊,福祉人材の不足,非正規労働者の増大など様々な歪みを引き起こし,社会的セーフティネットは機能不全に陥っています。自治労はこの間,国民生活を破壊してきた「骨太方針」の転換を求めてきました。しかし,6月27日に閣議決定された「骨太方針2008」では歳出削減策を堅持しており,国民の期待を裏切る内容となっています。引き続き,生活重視を基本とする財政政策への転換を求め,予算要求行動,対政府・国会対策を全力で進める必要があります。
(9) 社会保険庁の後継組織の一つである日本年金機構のあり方について議論してきた「年金業務・組織再生会議」は,6月30日に「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本的方針について(最終整理)」をまとめました。しかし,政府は政治的な圧力のもとに,懲戒処分歴のある職員について一律に「機構に採用されない」とした「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画」を閣議決定しました。この内容は人員削減を最優先するもので,サービスの向上や国民の信頼回復に応えるものとなっておらず,二重処分にも等しい一律排除は到底容認できません。今後は,「基本計画」の問題点・不当性を追求し,分限免職処分の回避,具体的な雇用確保等などを強く求めていかなければなりません。
(10) 北海道洞爺湖サミットは,2050年までに世界全体の温室効果ガスを50%削減するという長期目標を共有したに過ぎず,具体的な成果を得ないまま閉会しました。特に,国際的にも期待された地球温暖化や原油,食糧価格の高騰といった,待ったなしの問題に対する具体策は打ち出されず,政府が狙ったサミットによる政権浮揚効果も現れませんでした。
(11) 地方分権改革に関わる国の出先機関見直しも,年末にかけて大きな山場を迎えます。政府の地方分権改革推進委員会(丹羽字一郎委員長)は8月1日,国の出先機関を見直す年末の第2次勧告に向けた中間報告を決定しました。各機関の事務・権限を「@廃止,A地方へ移譲,B本府省へ移管」に分類する考えを示しましたが,国土交通省北海道開発局など,個別機関の取り扱いについて現時点では盛り込まれませんでした。分権委員会は,北海道開発局で5月に発覚した官製談合事件を機会に,開発局の廃止を中間報告に盛り込む方針でした。政府も「開発局ではなくても北海道に(業務を)委譲するのが合理的ではないか」と開発局廃止に前向きな姿勢を示していました。しかし,北海道選出国会議員などを中心に「廃止すると北海道の経済が大変なことになる」,「一部の不祥事で開発局がいらないというのは理解できない」などの意見が相次ぎ,中間報告には明示されませんでした。分権委員会は来年5月を目途に行う第3次勧告で「財源は必ず地方に移譲する」と明言していますが,小泉改革(三位一体改革)によって自由主義的に歪められてしまった「分権改革」に対する国民世論や自治体の反応は冷え切ってしまっています。
(12) 増田総務大臣(当時)の下にある道州制ビジョン懇談会が3月にまとめた「中間報告」も,地域主権型道州制,地方立法権,課税自主権などの言葉が盛り込まれたものの,「区割り案」などの具体的なテーマは先送りになっています。住民の6割が道州制に否定的だという世論調査にもあるように,道州制論議も地方分権改革の原点に立ち戻って,自治のあり方をもう一度問い直し,自治体や住民が元気と活力を取り戻す取り組みが必要です。そのためには,分権改革をやり直し,主導する新しい政権が必要です。
(13) 8月1日の内閣改造から1ヵ月,福田首相は9月1日夜,「新しい布陣のもとに政策の実現を図る」との理由で,突然に辞任を表明しました。昨年の参院選で惨敗した安倍首相の退陣を受け,昨年9月26日に発足してから約11ヵ月,安倍首相による,あの突然の「政権投げだし」を想起させる二度目の「政権投げ出し」に,「無責任だ」「自民党に政権担当能力がないことを証明した」と憤激する声が相次いで出されました。マスコミの社説も「またも無責任な政権投げ出し」(毎日),「早期解散で政治の無理正せ」(朝日),「解散戦略描けず行き詰まった福田政権」(日経),「政治に深い傷を残した」(道新),「政策遂行へ強力な体制を作れ」(読売)と,読売を除けば「政権投げ出し」への批判と早期の解散総選挙を迫る論調で統一されました。
(14) 福田内閣は「2005年の民意」(衆議院)と「2007年の民意」(参議院)との相克の中で迷走を続けてきました。初めは大連立を仕掛けたものの失敗し,テロ特措法や年金問題,日銀総裁人事,道路特定財源,後期高齢者医療制度などで国民的合意を形成できず,首相問責決議が憲政史上初めて可決され(6月11日),政権担当能力も失墜し,内閣支持率も危険ラインとされる2割台に低迷していました。支持率回復を期待した7月の北海道洞爺湖サミットもその効果が見られず,9年間与党の一翼を担ってきた公明党も公然と福田体制を見限り始めました。起死回生を目論んだ8月1日の内閣改造も,一部の世論調査ではやや効果が見られたものの,太田農相の事務所費問題など再び低下し始めてきたところでした。与党や公明党から「福田内閣の下では臨時国会を乗り切れない」,「支持率を回復した新しい内閣の下での解散・総選挙を」という声が高まってきたなかで,「政権投げだし」辞任表明となったわけです。
(15) 秋の臨時国会では,国際公約であるテロ特措法の延長問題,公明党に譲歩した「ばらまき」批判のある定額減税問題,道路特定財源一般財源化の具体策,消費税増税に対する政治判断など,重要政策課題が目白押しです。しかし,福田首相の「政権投げ出し」によって,自民党内では「人気のある麻生」「サプライズ(女性宰相)を狙った小池」など,新総裁・新内閣を発足させて,国会審議もそこそこに,「ご祝儀相場(一定の内閣支持率回復)が残っているうちに解散総選挙に打って出る」というスケジュールも浮上してきました。「早ければ10月,遅くとも年内解散」という新たな事態をも想定した闘争態勢が必要になってきました。くしくも,9月1日午前に民主党代表選挙への立候補を表明した小沢代表は「自公政権を終わらせる」と宣言しています。
(16) 自民党は何の反省も総括もないまま,第23代総裁に麻生氏を選びました。安倍氏・福田氏と二代続けての政権投げ出しは,前代未聞のことであり,むしろこんな事態を招いた大きな責任は,安倍,福田両氏を選んできた自民党にあるのではないかと思われます。自民党は,そんなことには目をつぶって,総裁選を賑やかに演出し,その勢いを駆って衆議院選になだれ込むという道を選びました。しかし,国民もそんな絵図が見えたから「政策論争12日間」という謳い文句も,汚染米事件の拡大や米金融危機などの現実の前に,虚ろにしか響かなかったと思われます。しかも,今回も含め最近の総裁選びは,政策や資質の吟味は二の次で,人気度に振り回されながら「選挙の顔」選びの傾向が強くなっています。社会構造が大きく変わり,国民の価値観や生活様式も多様化し,一方,国際情勢も刻々と変化する中で,有効な政策や明確な針路を示せず立ちすくむ姿ばかりが目に付きます。祖父や父親が首相だったという二世・三世首相が,麻生氏で三代続くことになるのをみると,人材育成機能の衰えも明らかです。
(17) 自民党の麻生総裁が衆参両院の首相指名投票を経て,第92代首相に選出され,麻生政権が発足しました。年金記録の改ざんや汚染米の不正転売,米国発の金融危機など,国民は多くの不安にさらされており,新政権が直面するのは待ったなしの課題ばかりです。 政権交代を唱える民主党の小沢一郎代表が「決着の時」と呼ぶ次期衆院選まで,秒読み段階に入ったと言えます。麻生内閣は,決戦を間近に控えた事実上の「選挙管理内閣」であり,全体的には,総裁選の論功行賞や首相の個人的な人脈重視という色合いが強く,国民の視線を首相一人に集めようという一極集中の布陣だと言えます。また,少数派閥出身の首相が最大派閥の町村派に支えられる旧来型の構図はそのままで,重鎮の森元首相頼りだとの声も聞こえています。国民の審判を仰がないまま二代の政権が生まれ,退場して行きました。政治が深刻な行き詰まりの状態に陥るのか,今度の衆院選は政権選択の選挙と言えます。
(18)  9月25日,中山成彬国土交通大臣(当時)は,報道各社との会見において,「日本は内向きな単一民族国家」「成田はごね得,戦後教育が悪い」「日教組の強いところは学力が低い」などの暴言を吐きました。さらに27日に開催された自民党宮崎県連の会議の中でも,重ねて日教組批判を繰り返し,日教組と社保庁(自治労)を名指しで「働かなくても給料がもらえる」とまで言及,「日教組をぶっ壊せ」さらに「官公労の支援する民主党をぶっ壊す」などと誹謗中傷を繰り返しました。これらの発言に対して,各方面から抗議の声が殺到したことにより,28日に中山大臣は辞任したものの,「日教組や自治労への批判は撤回しない」「日教組や自治労批判の運動の先頭に立つ」と再度言明しました。このような不見識な暴言や誹謗・中傷は,全く根拠のない人権侵害であり,悪質極まりない攻撃を看過するわけにはいきません。麻生内閣の見識が問われるものといえます。

3 道内の情勢

(1) 全国的な景気悪化の中で,北海道はさらに深刻な状態が続いています。企業の倒産(1月−6月)も,前年同期比11.5%増の 223件(帝国データーバンク)を記録しました。公共事業の減少や改正建築基準法の影響に加えて,建設資材の高騰,官製談合の発覚で建設業界への逆風など,建設業の下請け業者の経営環境は厳しさを増しており,倒産件数は高水準が続くと見られています。道内の生活保護率が,2007年度は1951年以来最高の24.6パーミル(前年度比 0.6増),人数でも約 2,000人増えて13万 7,570人(9万 3,541世帯)となり,過去最多となりました。
(2) 内閣府が発表した8月の「地域経済動向調査」では,全国11地域の景況判断は南関東や東海など8地域を下方修正し,同時に下方修正したのは,直近の景気後退局面だった2001年11月以来で,全国的に個人消費が振るわなかったほか,雇用を巡る環境の悪化が目立ったとされています。今回は主に4−6月期の統計を分析して各地域の景況判断を決めたもので,景況が最も厳しいのは北海道と東北で,判断は「弱含んでいる」としています。ガソリンや灯油の値上がりが家計を圧迫し,個人消費の減少が目立ったほか,北海道では洞爺湖サミットに伴う警備の強化が観光客の減少を招いたとされてます。
(3) 北海道財政局がまとめた「7月経済情勢報告」は,前回(4月)の「緩やかな持ち直しの動きもあり,全体としては横ばい」を下方修正して「弱い動きが広がっている」と発表しました。特に,個人消費や雇用情勢,住宅建設で「弱い動き」となっており,先行きについては,原油価格や原材料価格の動向などに留意する必要があるとされてます。
(4) 北海道財政は,過去の大規模な景気対策時に発行した道債の償還費や老人医療費などの義務的経費が増加する一方で,歳入面では地方交付税総額が減少する中で,道税収入において全国並みの伸びが見込めないことなどから,構造的な歳入・歳出ギャップが生じている状況が続いています。このため,道においては,2006年2月に「新たな行財政改革の取り組み」を策定し,持続可能な行財政構造の確立をめざすこととし,特に,2006年度および2007年度の2年間の集中対策期間においては,聖域なき歳出の見直しと歳入確保に向けた取り組みを進め, 1,800億円に上ると見込まれた収支不足の解消を図り,現段階における赤字再建団体への転落は回避できたところです。 しかし,2007年度補正予算以降,現時点で見込み得る変動要素を考慮しながら,2008年度以降の収支見通しをさらに拡大する見通しにあり,今後においても赤字再建団体への転落を回避できるような財政運営を行っていくことが,道政上の最重要課題となっています。
(5) 高橋道政は,道民の苦しさに対する有効な施策を展開できずにいます。市町村の財政危機に対しても,道は市町村合併による規模の拡大を求めるだけで,道・市町村が共同責任でこの財政危機を乗り越えていこうとする姿勢を欠いたままです。赤字再建団体となって苦悩している夕張市は,藤倉市長が就任1年目の記者会見で「このままでは夕張の再建は不可能」と発言し,7月にも赤字返済額縮小や期間短縮などの減免措置を求める考えをあらためて表明しています。世論も「厳しい再建だからこそ,借金返済だけではなく,自治を立て直すものでなければ市民も報われない」(7月17日道新社説)と,国レベルでの「苦境の自治を再生させる」政治の責任を求めています。
(6) 安倍内閣で「生活・雇用・地域間」格差を前提とした経済改革が推し進められ,その政策は福田内閣でも継続しました。道内においては失業率・生活保護率とも全国トップレベルとなり,「夕張問題」に象徴される市町村の財政危機や医師不足など,地域の疲弊,あらゆる面からの「格差拡大」は黙殺され続けています。このことからも地方切捨て・弱者切捨ての政治を終わらせることが必要です。
(7) 高橋知事は6月議会で,支庁が廃止とされる地域の反発を無視し,道議会自民党内部の造反まで引き起こした支庁制度の再編を強行しました。堀道政以来,全国に先駆けて進められてきた道政改革の運動は,これによって終止符を打つことを宣言したことに値します。高橋道政の進める道州制,支庁改革,市町村合併は,道庁のみの生き残りを賭けた単なる行財政改革に過ぎず,「道は市町村連合の事務局」と宣言した横路道政以来の長年の道政改革の理念は,もはやどこにも見られません。知事権力が交代することによる改革の方向性の転換が明瞭になったと言えます。
(8) 総務省は9月30日,「自治体財政健全化法」施行に伴い,2007年度決算に基づく財政指標を公表しました。道内では,夕張市と赤平市が「財政再生団体」基準を超え,「早期健全化団体」基準は,留萌市など11市町が超えたことが明らかになりました。財政健全化法が適用されるのは2008年度決算からとなりますが,早期健全化団体となれば,自主的に行財政改革が義務付けされ,財政再生団体では,国の監督下に置かれることとなります。これは,行政サービスの抑制による歳出抑制と増税などによる新たな歳入確保策を実行しなければならず,住民生活に大きな影響がでるのは避けられない見通しです。

4 地域の情勢

(1) 道が6月30日に実施した「企業経営者意識調査結果」によると,道南地区の4−6月期の景況判断(上昇とする企業割合から,下降とする企業割合を引いた値)は,前回と同様にマイナス46となり3期連続の低下は回避しましたが,道内6ブロック中,十勝に次ぐ低い水準に止まってます。また,先行き見通しも道南地区はさらに1ポイント低下の,マイナス47が見込まれ,他ブロックはいずれも若干ではありますが上昇を見込んでいる中で,道南だけが低下見込みとなるなど,道南地区の景気後退色が際立っています。道南地区の業種別指数を見ると,建設業はマイナス63で前回比24ポイント悪化し,先行きはマイナス80とさらなる大幅悪化が見込まれています。また,運輸・通信業もマイナス67で前回比38ポイントも悪化し,先行きは幾分回復するもマイナス56と,建設業に次ぐ低い水準が見込まれています。製造業は,マイナス27で15ポイント上昇し,卸売・小売業もマイナス42で5ポイント回復しましたが,先行きはともに悪化の見込みである一方,サービス業は当期は4ポイント改善しマイナス50となり,先行きも12ポイントアップのマイナス38と上昇が見込まれています。
(2) 日銀函館支店の8月の道南金融経済動向によれば,道南地方の景気基調判断は「弱めの動き」と3ヵ月連続で同様の判断が示されています。公共投資や企業の建設需要は,北海道新幹線工事の大型案件もあって横ばい圏内の動きとなっていますが,個人消費は,雇用・所得環境の弱さや燃料・食料品の価格上昇による消費者心理の慎重化などから低調に推移しています。7月の主要小売店売上は,前年同月比 3.8%減となりましたが,新車販売台数は普通・小型車が2ヵ月連続で上昇し,軽自動車は3ヵ月連続増加となるなど,一部には明るい動きも見られます。しかし,観光関連では国内客の動きが鈍く,主要ホテル宿泊客数は 8.2%減,函館空港乗降客数は 8.7%減と,ともに3ヵ月連続で減少しています。企業の生産活動面では,造船が安定した操業を維持し,水産加工は国内需要の持ち直しがみられますが,電子部品(半導体,水晶デバイス)は,携帯電話・デジタル家電向け受注の伸び悩みから,増勢は鈍化しています。
(3) 函館公共職業安定所がまとめた7月末現在の道南の雇用状況によると,当月の有効求職者数は,前年同月比 0.9%減の 9,976人となり,有効求人数も10.0%減の 4,722人に後退したことから,有効求人倍率は0.47倍と前年同月(0.52倍)比0.05ポイント減少し,これで13ヵ月連続の低下となりました。また,先行指数となる新規求人倍率も前年同月比0.06ポイント低下して0.85倍となり,これで4ヵ月連続の低下となったことから函館公共職業安定所では,「雇用環境の厳しい状況は続き,弱めの動きとなっている」と分析しています。 一方,来春高卒予定者の7月末現在の求人数は, 683人で前年同月( 654人)を29人,4.4%上回りましたが,前年の高水準スタート(前年同月比33.3%増)と比較すると,本年は「鈍調」であり,企業の新規採用意欲は低いと判断されます。特に,地元指向が強い道南地区では管内(地元)企業の求人動向がポイントとなりますが,同時点の地元求人数は 244人に止まり,前年同月比 3.6%減と前年を下回っています。来春高卒者の就職戦線は,こうした求人動向からも厳しいことが予想されます。
(4) 渡島支庁は平成19年度の道税収納状況(決算見込み)をまとめ,道税の調定額は 268億 9,600万円に達し,対前年度比26.0%増(前年度 213億 4,300万円)と大幅増加したことから,収入額も 252億 7,700万円となり,対前年度比26.4%増(前年度 199億 9,500万円)と急増しました。税源委譲による個人道民税の大幅増加が全体の引き上げたという特殊要因によるもので,これを除いた自動車取得税や軽油引取税など景気動向に敏感に反応する税目は,調定額・収入額ともに前年度割れしており,渡島支庁でも「税源委譲により道民税収入は大幅増加したが,これを除けばこれまで同様に景気後退の中での税収減少基調に変化は見られない」としています。収納率は, 0.3ポイントアップの93.9%で,収入額が増加するのは平成12年度以来7年ぶりのことです。
(5) 青函間の大型高速フェリー就航は,「高速フェリー時代」到来として昨年9月の第1船就航,それに続く今年5月の第2船就航により,青函間フェリーの利用実績は飛躍的に増加しました。しかし,最近における燃油価格の急上昇は東日本フェリー(株)の経営に大きなダメージを与えており,それが青函航路からの撤退を含めた全面的見直しを迫る背景とされてます。この点については,同社を取り巻く環境が,現状のまま推移すれば3航路(青函,大間,室蘭〜青森)において膨大な赤字が見込まれているとする業界筋の見方もあり,いずれにしても一連の見直し策によって,東日本フェリー(株)は,道内〜本州間におけるフェリー事業から撤退することになりました。昨年来標榜していた「青函高速フェリーによる新時代構築」は消滅することとなり,その影響は函館市にとっても,また北海道にとっても,極めて大きい衝撃となってます。
(6) 2年目を迎える西尾市政初の本格予算となる平成20年度当初予算は,一般会計が前年度6月補正後予算を 1.5%下回る 1,224億 1,000万円に止まる緊縮型予算となり,マイナス予算は4年連続で,地方交付税削減や市税収入減少による厳しい財政状況の中で,基金の取り崩しや退職手当債の発行で財源不足を補うほか,職員削減など行財政改革効果額で16億 5,000万円を圧縮するほか,経常経費や事務事業,政策的経費の見直しを行っています。また,子育てや地域福祉,教育,文化形成,観光振興面でのソフト事業の積極展開が大きな特徴ですが,特別会計を加えた予算総額も前年度を 9.8%下回る 2,495億 3,100万円に止まっています。一般会計予算の財源不足は37億 8,300万円で,昨年11月に公表した中期財政試算より3億円圧縮できましたが,前年度6月補正時に比べ約7億円増えました。このため,土地開発基金7億円を取り崩し,退職手当債24億 9,700万円,行革推進債5億 9,300万円を合わせて発行することで埋め合わせる考えです。
(7) 市の財源不足は地方交付税の大幅な削減が大きな要因で,市は2004−07年度の4年間で50億円削減されており,「職員費に換算すると 800人分になる。もし交付税が14億円も見込みを下回らなければ,財源不足は23億円で済んだ」と西尾市長は嘆いています。 市では,健全な市財政の確立への道筋を確かなものとする行財政全般にわたる改革の積極的方策として,今年度を初年度とする「函館市行財政改革新5か年計画」を4月に発表しました。これは平成21年度までの「後期5か年計画」を新たに見直し,平成24年度までを計画期間とし,職員数 650人の削減を柱とする内容です。市長は,行財政改革のさらなる継続を表明していますが,現在の業務や組織機構を維持したままでの職員削減への限界や,アウトソーシング計画への対応など,市職労としても行政に携わる立場として十分な議論と運動が求められています。
また,総務省が9月30日に公表した2007年度の決算指標で,函館市の企業会計のうち,病院会計と温泉会計が実質赤字となっており,資金不足は,病院会計で38億 3,600万円(資金不足比率29.5%),温泉会計で1億2,400万円(資金不足比率41.5%)となっています。2008年度決算からは,資金不足比率が20%を超えると,法に基づいて厳しい再建策が求められることから,経営改善に向けた事業の見直しが必要となっています。

C 運動の具体的すすめ方

T 地方自治の確立と合理化に反対する取り組み

1 地方自治確立の取り組み

(1) 地方自治の確立

社会の成熟により国民の価値観も多様化し,加えて少子・高齢化が急速に進み本格的な人口減少社会を迎えた今日においても,明治以来続く中央集権型の行政システムは既に制度疲労を起こしているにもかかわらず一向に是正されないまま,社会に様々な影響を及ぼしています。特に,中小都市の衰退や農村・漁村の過疎化が加速し,地域の活力は急激に失われており,あらためて住民や地域の視点にたった地方自治の確立が求められています。今後は,より一層,高度・多様化する住民ニーズや地域の実情に対処できる能力を備え,個性的で効率的な自治体行政を推進していく必要があります。
国は,新しい分権一括法を提案することを目的として,再び2007年4月に地方分権改革のための委員会を設置し議論を開始しました。5月28日には第1次勧告として市町村への事務権限の移譲を中心とする勧告がなされましたが,第1期分権改革において不十分であった税財源の権限移譲がなされるかどうかが今後の大きな課題です。地域づくりの主体である市町村がその行政能力・体制を強化して真の分権社会を構築するためには,税財源の移譲による財政の分権化が必要不可欠であり,さらに国と地方の役割分担と責任の明確化が重要です。また,地域公共サービスを担う労働組合として自らが行政や仕事のあり方に積極的に関与し,安心できる地域公共サービスの確立のために市民と協働して進めていかなければなりません。
@ 地方分権社会において,地方自治の本旨である「住民自治」を確立するためには,住民と協働したまちづくりをすすめていくことが重要であり,まちづくりに関わる各種機関へ多くの住民が参画できる体制整備のため「自治基本条例」の制定は必要不可欠です。函館市が2009年4月の制定を目指している「自治基本条例」については,住民本位の条例となるよう組織内議員と連携して積極的に関わっていきます。また,住民協働型の自治体運営をめざすため,住民がまちづくりに積極的に参画している自治体の調査・研究に取り組みます。
A 多様化する住民ニーズへ的確に対応するために,現行の行政サービスについての情報を正確に住民へ伝え,住民とともに検証・評価できる体制をめざすとともに,自治研活動のなかで住民との協働作業に取り組みます。
B 地方自治確立の裏付けとなる税財源の移譲や地方交付税の財源保障機能の充実のため,連合や自治労に結集しながら政府に対して要求します。
C 地域に根ざしたまちづくりを推進するため,住民やNPOなど各種活動への財政的・人的支援の充実を求めます。

(2) 自治体合併に対する取り組み

@ 東部4支所体制については,2006年に当局が示した支所のあり方(たたき台)を基に,合併後5年が経過する2009年度の体制整備に向けて,本庁への業務集約を主として段階的に見直しが進められてきています。市職労としては,この間「支所のあり方検討委員会」や業務別の部会を開催し,「住民サービスの低下を招かない」ことに主眼を置き議論してきました。今後においても,検討委員会や部会を開催し,「地域振興」,「地域活性化」,「住民サービスの低下を招かない」ための支所機能を追求します。
A 合併後4年を経過した中で,職員の賃金や労働条件は,旧函館市に合わせる事で段階的に調整・整理してきました。しかし,嘱託職員等については,合併以前の旧町村時代の賃金や労働条件のままとなってることから,本庁・各支所間で格差が生じており,早急に改善・整理されるよう協議を進めます。
B 2005年4月に施行された合併新法(2010年3月まで)の期限が迫ってきていますが,北海道内においては合併が進んでいません。このことから,高橋はるみ知事は,平成20年第3回定例道議会において,新法で認めれている合併協議会の「設置勧告」を発動するとの見解を示しました。市町村合併はいうまでもなく,市町村が自ら主体的に住民合意により決定するべきであり,国や道からの「強制合併」は許されるものではありません。今後も道本部や地方本部と連携して,合併協議会の「設置勧告」が発動されないよう取り組みます。また,今後の自治体のあり方については,公立病院や消防の課題も含め,合併のみならず「広域連合」や「広域連携」なども視野に入れ,多様な観点から地域の自主性と住民合意を基本に置き,調査・研究に取り組みます。

(3) 行財政改革への対応

@ 「小泉構造改革」以降の行き過ぎた規制緩和と地方財政圧縮により,地域のセーフティネットである公共サービスが縮小され,様々な格差は一向に縮まりません。今年6月に閣議決定された「骨太方針2008」においても,これまでの歳出削減政策を堅持する方針が打ち出され,地域の疲弊や格差拡大を招いた政府・与党の反省は全くみられず,国民の期待を裏切る内容となっています。財政権限を背景にして,国は自治体における公共サービスの縮小や職員の労働条件を一方的に方向付け,地方自治を踏みにじる深刻な状況が続いています。
こうした政府の動きに対し,市民ニーズに適い,安定した質の高い公共サービスを提供し続けられるよう,具体的な運動の展開が求められます。
A 函館市においても,この間,第3次行財政改革の取り組みが実施され,職員数や給与制度の見直しなどにより,2000年度から2007年度までの累積で,約 209億円の効果額を生み出してきましたが,低迷を続ける地域経済を反映した市税収入の伸び悩みや地方交付税抑制の影響により,今後も毎年50億円程度の財源不足を生じる見込みとなり,厳しい財政運営状況に変わりはありません。これを受けて当局は,今年4月に「行財政改革新5か年計画」を策定し,市職員 650名の削減をはじめとする,これまで以上に徹底した行財政改革を進めるとしています。
単に,財政事情のみを理由とした一方的な人員削減提案に対しては,反対の立場で臨むとともに,取り巻く情勢を十分認識したうえで,業務の見直しを含めた職場体制のあり方について,各職場議論を基本に対応方針を決定していきます。また,組合としても,市の財政状況を随時把握・分析しながら,効率的な財政運営を求めていきます。
B 当局は,第3次行革の一環として,財源の有効活用や「民間に委ねることができるものは民間に委ねる」ことを基本的考えとした「アウトソーシング推進計画」を2004年に策定し,保育園業務の民営化や学校給食調理業務の外部委託など実施してきました。これら民間委託等の動きは,財政難に苦しむ他の自治体でも顕著ですが,埼玉県ふじみ野市で起きたプール事故のように,委託された民間事業者による事故や問題なども多く発生しています。また,函館市においても,学校給食調理受託業者が従業員に対して,有給休暇を付与していなかったことが今年9月に判明するなど,委託先労働者の粗悪な労働条件の事例も見受けられます。
アウトソーシングを実施するにあたっては,「安かろう悪かろう」ではなく,安心・安全で質の高い公共サービスが維持されるよう当局に徹底させるとともに,そのサービスを担う委託先労働者の雇用・労働条件が保証されるよう,「公契約条例」の制定を当局に追求していきます。
C 自治体経営手法の多様化により,指定管理者制度や地方独立行政法人制度など,各種制度が函館市でも導入されてきていますが,これらの制度の継続・導入にあたっては,当該職場労働者の雇用確保を大前提にしたうえで,委託後のサービス水準の維持と質の確保,委託先労働者の労働条件の確保・向上を当局に追求していきます。
また,現在導入に向け準備が進められている市場化テストについて,十分な事前協議を求めながら,課題や問題点を追及し安易な導入に反対していきます。

(4) 公立保育園民営化問題への対応

@ 公立保育園については,この間,2005年4月の桔梗保育園民営化を皮切りに,毎年1園づつ民間移管が進められてきました。移管にあたっては,保護者の不安解消や現在の保育内容の継承,共同保育の充実などを附帯条件にしたうえで合意し,当局へその対応を追求してきました。当該園や移管先法人の努力により,大きな混乱もなく引き継ぎが図られてきました。
A 今年2月12日には,さくら・鍛冶両保育園の統合・民営化に係る申し入れがあり,同月22日に団体交渉を行いました。今回の提案では,2園を統合し,鍛冶保育園隣接地に新園舎を建て替えるという,新たな課題を伴う内容でした。交渉では,ア)保護者説明会の状況,イ)共同保育の進め方,ウ)既に移管された保育園のその後の状況,などについて当局に確認・整理し,支部に持ち帰り協議することとしました。団体交渉以降,保育園分会長会議等を開催し,さくら・鍛冶保育園における近況,共同保育の内容や期間などについて,当該職場組合員からの報告を受けながら対応を協議するとともに,当局との事務折衝を重ねてきました。
B 8月20日に,あらためて福祉支部交渉を実施し,ア)さくら・鍛冶保育園における交流保育の状況,イ)今後の共同保育の内容と期間,ウ)民営化に伴う保育士の配置転換などについて,当局の考え方を質しました。
さらに支部からは,ア)新園舎の設備に関しては不備のないよう徹底してほしい,イ)給食調理の引き継ぎに関して早期の実施を図ってほしい,ウ)現在,鍛冶保育園の園庭が工事のため,園児の戸外遊びについて早急な改善をしてほしいこと,などを求め,交渉を終えました。 その後,支部において事務折衝を重ねたうえで,再度分会長会議を開催して対応を協議しました。とりわけ,共同保育の期間についての議論が重ねられたところですが,当該園の保育士が検討・協議した4ヶ月という期間を全体で確認したうえで,昨年度の石川保育園移管の際の附帯条件を基本に,2園の統合という新たな課題への十分な対応を加味する条件の整理など,引き続き支部内での協議を進めています。
C さくら・鍛冶保育園の民営化提案に係る協議と並行して,今年6月に労使による「公立保育園検討委員会」を設置しました。この委員会では,これまでの公立保育園の民営化の検証や,これからの公立保育園のあり方などについて5回にわたって議論を深め,8月に報告書をまとめました。報告書では,これまでの民営化について,保護者のニーズに応え円滑な移管や運営が行われたことを確認し,また行財政効果により,子ども医療費助成制度の拡充など新規事業に活用されていることを認識しました。さらに保育内容等について,公立・私立を問わず市全体の保育の質の向上を図る必要性を確認してきています。
D 引き続き,さくら・鍛冶保育園の統合・民営化に関しては,保護者理解や児童への配慮の徹底,共同保育の充実などを当局に追求し,円滑な移管が実施されるよう取り組みを強化していきます。また,これまで移管された保育園についても,児童の様子や附帯条件の遵守など,民営化後の状況について支部と連携しながら,検証を進めていきます。
E 当初提示された「前期民営化計画」が今年度で終了となり,以降については,新たに「後期民営化計画」の策定が予想されます。市職労としては,公立保育園の全てを民営化することに対しては反対の立場ですが,市財政の現状や市議会をはじめとした市民理解など,取り巻く厳しい情勢を十分認識しながら運動を展開していく必要があります。函館市の総合的な子育て支援施策の充実を図る上で,公立保育園がどのような役割を果たすことができるのか,具体的な方策を構築していかなければなりません。
こうした観点から,「公立保育園検討委員会」の報告書で示された課題の整理・検証を進めながら,将来を見据えた保育行政のあり方について,職場議論を一層積み重ねた上で,一定の方向性を検討していきます。

(5) 自治体財政の確立

@ 三位一体改革以降の地方交付税の削減と不十分な税財源移譲により,多くの自治体では,歳出削減を余儀なくされていることに加え,自治体財政健全化法の成立により,自治体財政に対する国の関与が一層強まっています。この法律は,地域医療を守っている自治体や国の施策などで進められてきた下水道事業などに対して,国の責任を放棄し,全ての自治体へ責任転化するものです。
自治体財政を確立することは,自治体にとって最大の課題であり,地域公共サービスを確保・提供するための財政確立に向けて最大限取り組む必要があります。
A 地域間格差や自治体の財政力格差などの格差が深刻化する中で,国と地方の役割分担の見直しに基づき,ア)地方税の充実による分権型税制度の確立,イ)国庫補助負担金の廃止・縮小,ウ)国から地方へのさらなる税源移譲,エ)地方交付税制度のもつ財源保障機能と財政調整機能の堅持,オ)自治体財政の透明性の確保と財政悪化の早期防止を図れるよう,自治労に結集して取り組みます。
特に,地方交付税制度については,自治体の安定的な財政運営に必要な一般財源の確保に向けて,職場決議や議会決議に取り組むとともに,人口・面積で算定しがたい行政需要の適切な算定,行革実績に応じた交付税の優先配分の廃止,段階補正の復元などの取り組みを進めます。
B 函館市の財政状況も,昨年の中期財政試算に観られるように,長引く景気低迷による税収の伸び悩みや,三位一体の改革による地方交付税の削減などの影響から,極めて厳しい財政状況にあります。
この間,そうした状況も認識しながら,給与や事務事業の見直しなどにも対応してきた中で,行財政改革の効果(2000年度〜2007年度で約 209億円)を生み出しているものの,人口減や地域経済,雇用情勢の低迷による市税収入の減少と大幅な地方交付税の削減,さらに地方分権の推進や各種施策の充実などの行政需要への対応もあり,厳しさは脱しきれていません。
引き続き,地方財政の充実・強化の取り組みと合わせ,財政効果等を含めた公共サービスのあり方などの自治体改革に向けた検討や財政構造改革を進めていく必要があります。
C 地方財政対策委員会を機能化し,地方自治研究所などとも連携して,将来の財政見通しについての検討を進めるとともに,政策・事業評価,経常経費のあり方,独自財源の可能性,行財政の方向性について検討を進め,市に提言できるよう取り組みます。また,新たな財政指標に基づいて公表される企業会計を含めた決算状況について状況把握に努めます。
D 国の地財対策や地方財政全体の状況把握と財政分析能力の向上のため,自治労本部等が開催する自治体財政セミナー等の研修会に積極的に参加するとともに,先進単組等との意見交流を進めます。

(6) 地方分権の推進

今日の地方分権の推進は,社会構造の変化に伴いその重要性はますます高まっています。第1期の地方分権では,地方交付税の削減や既得権,利権構造が温存されるなど,不十分な改革であったといわざるを得ません。現在,第2期分権改革の議論がなされており,第1次勧告として国から地方への事務権限の移譲について勧告されました。
分権改革を着実に前進させるためには,制度・政策改革はもちろんのこと,財政の分権化をより一層進めるとともに,地域の資源を積極的に活用し,住民との協働で地域再生と持続可能なまちづくりに取り組んでいく必要があります。
@ 第2期分権改革において,事務権限の移譲が拡大されようとしていますが,地方分権を着実に前進させるため,連合・自治労に結集して,税財源の移譲も行われるよう求めていきます。また,「道州制特区推進法」の成立に基づき,北海道は「道州制特区推進条例」を制定して準備を進めていますが,今後,十分な権限・財源を保障し「地域のことは地域に任せる」,「分権型社会」を志向した制度の構築をするべきとの立場で,連合や自治労に結集して具体的な取り組みを強化していきます。
A 地方分権の進捗に伴って,自治体の「自己決定」,「自己責任」を果たしていかなければならず,自治体・職員のより一層の政策決定能力が求められており,職員個々の能力向上や認識を深めるための研修体制の充実を追求していきます。また,自治労本部などで開催される学習会・セミナーへ積極的に参加し,必要に応じて独自の学習会を開催します。
B 函館市が中核市に移行してから3年が経過しました。大幅に各種権限が移譲され,自治体自らの判断で,より積極的な事業推進ができるようになりましたが,一方で,権限移譲に伴う必要な財源の確保は重要であり,国に対して引き続き財源保障を求めていきます。また,移行後の業務量や職場実態を再度精査するとともに,住民サービスの向上とあわせ,必要な人員配置や業務の効率化を追求していきます。
C 市町村合併や中核市移行を踏まえ,まちづくりやサービスのあり方などについて,函館市の将来像を随時わかりやすく市民に情報提供していくシステムづくりを追求していきます。

(7) 自治研究活動

自治研活動は,地域に根ざした個性的で豊かなまちづくりを進めていく上で,自治と住民生活に関する政策課題を労働者・生活者の観点から点検し,研究・提案・実践する取り組みです。昨年は,再度,「市町村合併に関わるアンケート」を実施し,2006年度の調査と今回実施の調査と比較したレポートを作成して,9月5日に開催された全道自治研に提出してきました。
今後は,レポート結果を分析し当局に対して政策提言していく取り組みが必要です。また,より良いまちづくりをめざすため,地域や住民との連携・協働して取り組みます。
@ 自治研推進委員会の活性化を図るともに,「市町村合併に関するアンケート」の結果を分析し,表面化した課題等について当局へ政策提言できるよう取り組みます。
A より良いまちづくりを進めるために,市民団体やNPOとの連携を深め,協働による政策提言や実践活動に取り組みます。
B 多様化する住民ニーズに対応し,住民生活の質の向上を進めるために,地域公共サービスを担う労働組合自らが,現行の行政・業務のあり方を検証する重要性を認識し,組合員相互が議論を深め,学習会の開催等の実施を目指します。

2 課題別各委員会の取り組み

(1) 環境問題検討委員会

一般廃棄物関連の家庭ごみ収集では,住民要望の多かった容器包装プラスチック収集の収集回数の増について,収集現場の内部努力や現場付与の見直しにより,月3回から毎週収集と回数増を図り,住民要望に応えてきました。
また,昨年に引き続き,「燃やせないごみ」から「燃やせるごみ」へ移行したプラスチック類(容器包装以外)の,住民への分別徹底や排出指導について,当局に指導強化を求める一方で,収集品目の変更に伴う収集時における住民対応については,作業員とリサイクル推進課との分別品目の住民説明についての話し合いを実施させたことで,収集時における住民とのトラブルの減少や分別意識の向上・適正排出に効果が現れました。
高齢化や狭隘地域の収集については,小型車を1台増車させ対応してきましたが,住民要望の1割弱のみが解消されただけで,依然として多くの地域が残っていることや,小型車の増車以外にこうした地域への収集のあり方について,職場全体の議論が不十分となっており,今後の課題となっています。
処分場の延命化対策として,産業廃棄物の搬入規制と同時に搬入品目別(鉄類・木)に分別し,資源化することにより,さらに延命化することができたことは,財政的効果にも寄与できたと言えます。
また,廃棄物基本方針の策定時には,廃棄物の減量や資源化・処理場の延命について,現場からの意見交換ができたことは一定の成果でした。
「はこだてエコフェスタ」の開催は20年の節目として,企画段階の実行委員会や幹事会へ参加し,フェスティバル全体の運営準備や当日の家電品のリフォームコーナーを担当する中で,「もったいない」ということを住民へアピールできました。また,同時に組合員と清掃共闘の仲間も参加した学習会などを開催し,今後の公共サービスのあり方について問題提起ができたことは大きな成果と言えます。
さらに,海岸清掃ボランティアのほか,今年は「アースデイ函館」実行委員会にも参加し,市民やボランティア団体,NPOの方々の取り組みもスタートさせ,環境問題について一緒に取り組みが出来たことも運動の前進となりました。
一方で,震災廃棄物処理基本計画についての学習会を開催し,震災時における自治体の廃棄物処理に対する責任や重要性について確認でき,今後はさらに具体的な対処について取り組みを進めなければなりません。
環境・廃棄物政策について,組織内議員との懇談会が出来なかったことは反省するとともに,次年度に向け積極的な取り組みが求められています。
@ 現在の収集品目ついて,市民がわかりやすい品目・より良い収集効率を目指し,調査研究と職場議論を進めます。
A 災害時における廃棄物収集・運搬・処分については,「函館市震災廃棄物処理計画」を学習し,緊急時に対応できる体制について議論を進めます。
B 一廃・産廃の不法投棄防止対策を引き続き強化するとともに,産廃の民間施設における適正処理について,立ち入り検査や指導を徹底させる中で,民間業者の育成についても求めていきます。
C 廃棄物処理基本方針については,実施計画の策定に向け「第2次函館市一般廃棄物処理基本計画」の進行管理と併せて,「循環型社会の形成」という視点で意見反映していきます。
D 海岸清掃ボランティア活動や「アースデイ函館」など,仕事を通じたボランティア活動に積極的に取り組みます。
E 環境自治体の確立に向けて,自主研修や学習活動を含めて取り組みます。
F 北海道都市清掃交流会や全国清掃集会などに参加して情報交換を行い,資源循環型廃棄物行政の確立に向けて取り組みます。
G 地球温暖化・エコエネルギー対策などの政策課題については,組織内各級議員との意見交換や学習会などを通じて,課題の前進に向けた取り組みます。

(2) より良い学校給食を進める委員会

生きる力を身につけるための基礎となる豊かな生活づくりに「食」は大切なものであり,欠かすことができません。食育基本法が制定され,健全な食生活を実践することができる人間を育てる「食育」の推進が強く求められています。
委員会では調理員が「安全で安心の学校給食」を提供できる知識を身に付け「教育の一環」としての食教育推進の一端を担うため,資質の向上や給食の充実に向け,3つの課題(献立・食器・施設)を中心に取り組んできました。
具体的には,残量問題では引き続き残量調査と分析を行い,副菜の中でも和風の煮物や豆類,海草類を使用した献立に残食が多く,その傾向について労使共通認識にたつとともに,一部献立の工夫や調理方法の検討などを行い,徐々に残食の減量につながったことは取り組みの成果です。
また,ペン食器の全校導入の終了を経て,新たな食器改善の取り組みとして献立に合わせた食器具(フォーク)の導入を図り,スパゲティなど喫食時のマナー改善の効果が見込まれてます。
「学校給食衛生管理の基準」の一部が改正され,ウェット調理施設においてドライ運用(床面を極力乾燥した状態で使用)を図り,二次汚染による食中毒を防止する取り組みが明確化されています。委員会では各職場実態を把握するとともに,具体的な作業内容を提示しながら全職場での「ドライ運用」に取り組むとともに,設備や備品の改善につなげています。
職業病(指曲がり・腰痛等)対策は,公務災害等の発生が高い職場実態を踏まえ,調理作業中の事故・ケガ防止対策として,安全衛生委員会と連携して具体的な作業中の注意事項や調理機器への注意書きの貼付など,安全作業の整備を深める「安全作業マニュアル読本」を作成し,全職場に配布しながら啓発活動に努めるとともに,労働安全に対する意識改善が図られたのは一定の成果です。
委託化された調理場への現場実態調査(検証)を引き続き実施し,衛生面の不備などを指摘し改善させてきました。また,委託先調理員との関わりとして,冬期・夏期研修会に出席を求め,学校給食における栄養・調理・衛生等について知識の向上が図られましたが,具体的な関わり方までは議論できず今後の課題となっています。一方,市議会第3回定例会で,委託業者の一部でパート従業員に対して有給休暇を与えず,社会保険に加入させていなかったことが明らかになっています。組合としても,委託先労働者の賃金改善はもとより,公正な労働基準の確立に向けた取り組みが必要です。
現在,食生活そのものが多様化しており,学校給食も内容の充実とともに,食育という幅広い視点での実践が求められてきています。目の前で子どもの反応がつかめる現場であるという利点を生かすとともに,給食という実際の食事や食物を教材とする「食教育」について議論を深め,子どもたちの食に関する意識を少しでも高めていく運動を実践しなければなりません。そのためにも,各課題に縛られることなく,調理員全体で議論を深める取り組みが必要です。
@ 残量調査を継続的に行い,その内容を分析するとともに,当局サイドで実施した調査結果と照らし合わせ,必要に応じて当局に改善を求めます。特に「和風の煮物や豆類」などが敬遠されていることから,その対策を検討し,献立原案全体会議に意見反映していきます。
A 食器改善では,引き続き食器具(フォーク・トレー)の導入を求めるとともに,導入校については事前協議を進めます。
B 職業病対策は,公務災害の発生が高い職場実態を踏まえた労働安全に対する意識向上を図る学習会などを開催し,安全・健康で快適な職場環境をめざします。
C 委託化された調理場については,今後も作業実態や安全衛生面などについて随時検証し,その改善を求めていきます。一方,委託労働者の賃金改善,労働基準の確立に資する委託費の積算や地元業者の参画など,入札改革について当局に求めていきます。
D 椴法華中学校学校給食共同調理場(ドライシステム)の実施設計に向けた協議を進めるとともに,東部4支所支部とも連携を図りながら取り組みます。
E 給食を通して,調理員と子どもたちの日常の交流から,食に関する興味・関心が高まるような取り組みについて議論を進めます。

(3) 住民の健康と福祉を考える委員会

昨年度は,労使で設置した「公立保育園検討委員会」の中で,今後の公立保育園のあり方や,函館市の子育て支援の充実などについて積極的な議論を行ってきました。また,全国・全道規模で開催される保健・福祉に関する各種集会へ組合員を派遣して,課題の共有や情報交換を深めてきました。しかし,委員会が対象とする分野が多岐に渡ることなどにより,個別課題へは対応できたものの,委員会としての具体的な運動に展開することはできませんでした。
年金・医療・福祉などの社会保障制度の改悪が進められる中で,これらの諸課題へより一層の取り組みの強化が求められており,当委員会の機能強化を図っていく必要があります。
@ 委員会の定期的・積極的な開催に努め,諸課題への具体的な取り組みを展開するとともに,懸案となっている課題別の部会設置について議論を進めます。
A 東部4支所支部における関連職場との連携を深め,委員会への参画を図りながら課題への対応に取り組みます。
B 安心と信頼の介護保険制度の構築を基本に,第4期介護保険事業計画策定に向けた意見反映に取り組みます。
C 障害者権利条約の早期国内批准・差別禁止法の制定に向けて,本部や組織内議員等と連携しながら取り組みます。
D 「公立保育園検討委員会」の報告書で出された課題等について,保育現場と子育て支援課相互で議論・検証を進め,子ども未来室の体制強化と函館市全体の子育て支援施策の充実を追求します。
E 生活保護制度改革の動きに対し,福祉事務所の実施体制の整備やケースワーカーの専門性の向上に向けて,職場議論を基本に具体化を求めていきます。
F 市立障がい児・者3園の統合整備構想について,利用者側に立った実施内容となるよう,課題の整理・検証を進めます。
G 今年4月から保健所全体の機構改革が行われましたが,その検証をを進めるとともに,課題の整理と改善を求めていきます。また,総合的な住民の健康対策推進に向けた体制づくりため,保健所の機能強化と職員研修体制の充実を追求します。

3 情報化への対応

(1)電算化とネットワークシステムへの対応
@ 昨年度,情報化ワーキンググループを開催し,今後導入が予想される庶務事務システムについての課題整理などを議論しました。システムの具体化にあたっては,関係部局間の十分な協議が図られるよう追求するとともに,ワーキンググループでの議論を深めます。
A 現在実施されている電子申請などのサービスについて,内容の充実や利用しやすいものになるよう改善を求めていきます。
B 市が保有する個人データをはじめとした各種情報保護の観点から,情報セキュリティのさらなる徹底を追求します。
(2)業務システムの検証・協議
各職場にそれぞれ情報システムが導入されていますが,現行システムについて職場意見を把握しながら,必要に応じて改善・整備を求めます。

U 賃金引き上げ,労働時間短縮,国民要求,地域要求実現のたたかい

1 賃金・時短闘争の進め方

(1) 賃金,労働時間短縮,政策・制度要求は,春闘期・人事院勧告期・賃金確定期の年間闘争サイクルに即して,それぞれの時期において,重点課題や獲得目標を設定して取り組みます。
(2) 春闘期は,全労働者の賃金の社会的相場を形成する闘いとして,連合や自治労に結集して,人事院勧告等に大きく影響を及ぼす民間の賃金相場形成の支援と国民的政策要求・地域要求の実現をめざします。
(3) 人事院勧告期は,公務員連絡会に結集し,人事院に対して民間賃上げ相場を踏まえた人勧期要求と実質的な交渉・協議を通じて,公務員の生活の維持・防衛につながる給与勧告の実現をめざします。
(4) 賃金確定期は,春闘期・人勧期の成果を具現化する期間と位置づけ,市労連に結集して,不当な勧告を除く人事院勧告の完全実施と独自要求の実現をめざします。
(5) 賃金制度や獲得課題については,賃金調査部の機能を強化し,道内の10都市単組代表者会議や7市労連会議での情報交換や他都市調査を実施しながら設定します。
(6) 時間外勤務や休暇取得の状況については,定期的に当局に状況報告を求めるとともに,業務実態等を把握し,人員要求や労働安全衛生活動に反映させます。

2 2007賃金確定の総括

(1) 人事院勧告の取り扱いをめぐって,政府は10月30日,第4回給与関係閣僚会議を開催し,一般職については,勧告どおり実施するものの,指定職については一時金を改定せず,地域手当の引き上げを1年先送りするという方針を確認し,その後開催した定例閣議でその方針を正式決定しました。
自治労・公務員連絡会は,人事院勧告が不完全実施になったことに対して,強い不満と遺憾の意を表明する声明を発する一方で,給与法改正案について「格差拡大で疲弊している地域経済に好影響を与えることや,公務員労働者が給与改善に強い期待を持っていることなどを踏まえ,以降は会期内成立を目指して全力で取り組みを進める」として,総理大臣・総務大臣への文書行動や国会対策に取り組みました。
(2) また,総務省は同日,人事院勧告の取り扱いの閣議決定を受けて,「地方公務員の給与決定に関する取り扱い等について」の事務次官通知を発しました。この中で,国における取り扱いを基本として,地域における民間給与等の状況を勘案し,適切に対処する事を求め,特に期末・勤勉手当の支給月数については,地域の民間給与の支給月数を上回ることのないよう適切な改定を行うことを求めました。
(3) 道内では,札幌市と北海道が独自に人事委員会を持っていますが,札幌市では9月14日に人事委員会勧告が出され,官民較差は国を下回る△0.00%(△12円)と給与改定を見送り,一時金についても民間との支給月数が均衡しているとして,勧告史上初めて国を下回る改定の見送りとなりました。また,北海道では,10月5日に人事委員会勧告が出され,官民較差は△3.37%(△13,759円),一時金は民間月数4.26月となりましたが,道職員は大幅に給与が減額されている中で,職員の士気を確保していく必要があるとして,今年度の給与・一時金ともに改定を見送り,2008年度は給料表を国に準じて改定するとなりました。こうして,札幌市・北海道ともに国を下回るという厳しい内容となり,以降の市町村単組での交渉にも影響を与えかねない状況となりました。
(4) 一方,政府・総務省による地方公務員の給与抑制攻撃のほかに,まさに国や民間水準を下回る独自の賃金削減が横行しており,道内では,夕張市の基本賃金30%カットを頂点に64%の自治体単組で独自削減が行われています。
このように,自治体の賃金確定闘争をめぐっては,引き続く地方財政危機の深刻化と地域経済の低迷,都市を中心とする地方交付税の削減などによって,歳出削減がさらに強まることが想定されており,特に,賃金・一時金のカットや各種手当の見直しなどの賃金合理化をはじめ,人員削減や委託化等の合理化が一層強まることが考えられます。
11月2日に開催された自治労道本部の10都市単組代表者会議においても,賃金や人員合理化を抱えている状況の報告に加え,特に,一時金をめぐっては,勧告史上初めて道や札幌市が改定を見送ったことや,総務省の事務次官通知が発せられたことを受けて,人事院勧告どおりの実施は困難な状況が報告されるなど,厳しい状況下での取り組みとなりました。
(5) 2007賃金確定闘争は,11月1日開催の市労連2008年度定期大会で「2007年賃金確定闘争方針」を確認し,市職労としても,10月20日開催の第69回定期大会で当面の運動方針として,賃金確定闘争の闘争日程等について意思統一するとともに,重点課題を次のとおりとしました。
   @ 本年の官民較差に基づく給与・一時金の改定への対応
   A 子等の扶養手当の見直し勧告への対応
   B 新たな昇給制度への対応
   C 財政危機を理由とした「賃金抑制・合理化」阻止
   D 休職給制度の見直しへの対応
   E 休息時間の廃止への対応
   F 再任用制度の早期条例化と制度運用
   G 休暇制度の充実
また,闘争日程については,全道統一行動日の11月16日(1時間ストライキ)をヤマ場として,交渉を強化することを中心に闘いを進め,要求の前進と合理化阻止をめざすこととしました。
(6) 11月9日に市労連各単組書記長による公式事務折衝で確定闘争の課題を整理するとともに,11月12日に1回目の団体交渉を行いました。交渉では,特に,人事院勧告で出された本年の給与改定の課題に加えて,継続課題となっている,@休息時間の廃止,A休職給制度等の見直し,B休暇制度等の見直し,C再任用制度の導入,D人事評価制度の課題などについて,当局の姿勢を追及しましたが,当局からは,継続課題の各項目については,一定の前向きな回答が示されましたが,人事院勧告の取り扱いについては,「給料表,扶養手当および地域手当は,人事院勧告に準じて改定するが,厳しい財政状況や道の人事委員会勧告の状況を踏まえ,平成20年4月1日実施としたい。また,期末・勤勉手当については,総務省の事務次官通知もあり,道の人事委員会勧告を踏まえ,据え置きとしたい。」とし,あくまで,一時金については改定しないという回答に終始し,交渉は平行線をたどりました。
市労連執行委員会では,これまで,様々な給与制度について,国公に準じて見直しを行ってきたことや,人事院勧告を尊重するという長年の労使間のルールを逸脱するものであるとして,次回交渉に向けて強く再考を求めました。
(7) 11月14日に2回目の交渉を行い,下記のとおり回答が示されました。
   @ 平成19年度給与改定
     給料表,扶養手当,期末・勤勉手当および地域手当とも,人事院勧告に準じて改定するが,今年度の地方交付税の削減により厳しい財政状況もあることから,その実施は,平成20年4月1日実施としたい。
   A 休息時間の廃止については,平成20年4月1日廃止としたいが,その廃止に伴う休憩時間や始業・終業時間の見直しについては,組合の考えがまとまった段階で,その意向を受け止めて対応したい。
   B 休職給制度等の見直しについては,2007年2月に組合側から求められた内容で,平成20年4月1日から実施したい。
   C 休暇制度の見直し
     <導入>
    ア) 男性職員の育児参加のための特別休暇の導入
  妻の産前産後期間中に男性職員に与えられる特別休暇 5日
    イ) 介護休暇の請求期間の変更
  現行 1週間 → 改正 あらかじめ
    ウ) 特別休暇の付与単位の変更
  配偶者の出産休暇,子の看護休暇の付与単位に「時間」を導入
    <継続協議>
    ア) 育児・介護を行う職員の早出遅出勤務の導入
    イ) 育児短時間勤務の制度創設
    ウ) 修学等のための早出遅出勤務の導入
    エ) 自己啓発等休業の制度創設
   D 再任用制度については,必要性は十分に理解しており,市民の理解と納得が得られるよう努力したい。また,11月に労使の検討委員会を設置して,賃金や労働条件,職場配置の課題などについて,具体的に協議に入りたい。
   E 人事評価制度については,現在,2年目の試行を実施しているが,今後,試行結果に基づき,制度の課題の洗い出しや検討を行い,その内容について労使協議したい。
(8) 市労連執行委員会としては,
   @ 人事院勧告の平成20年度の実施については,不満の残る内容であるものの,今年度の厳しい財政状況に加えて,総務省の事務次官通知や道の人事委員会勧告の状況もある中で,一時金も含めて人事院勧告を尊重して改定する回答を引き出した。
   A 休息時間の廃止や休職給等の制度については,組合側の要求に理解を示し,その考えに基づいて見直すという考えが示された。
   B 再任用制度については,実施時期までは引き出せなかったものの,2007年4月から年金の満額支給開始年齢が64歳となっていることや,2006年4月から民間での60歳以降の継続雇用も義務化されていること,また,行財政改革を進めている中で再任用も含めた多様な職種の確保などのために,再任用の必要性について確認ができ,11月に改めて労使検討委員会を設置し,早期の実現に向けて具体的に協議していく姿勢が示された。
以上のことなどから,人事院勧告による改定時期については,満足のできる内容ではありませんが,今日置かれている状況を総合的に考えれば,当局としてのギリギリの回答であると受け止めることができます。また,道内でも多くの自治体で基本賃金のカット等がかけられてきている状況や,地方交付税の削減により厳しい財政状況を強いられている中で,独自カット等の合理化を提案させなかったことは,一定の成果であると考えます。
こうした立場に立ち,各単組での機関会議はもとより,組合員への周知,職場討議を経た上で,12月5日に休息時間の廃止に伴う対応を除いて妥結しました。

3 休息時間の廃止への対応

(1) 休息時間の廃止については,国が2005年7月1日に廃止されたことに伴い,2006年9月4日に申し入れがありました。
休息時間については,制度化される際に,国の休息時間を参考に設けられた制度であり,国の廃止に伴い,その根拠がなくなったことや,総務省から2006年3月8日付けで「休息時間の廃止及び勤務時間の見直し」について,各都道府県に対し要請もあったことから,全国的に廃止とそれに伴う休憩時間や始業・終業時間の見直しが進められました。
(2) 市労連としても,休息時間の廃止は,その根拠がなくなったことや社会情勢からも廃止は避けられないとしながらも,その対応には,以下の3つの方法が考えられました。
   @ 休憩時間を45分とし,始業・終業時間は変更しない。
   A 休憩時間を60分とし,始業時間を8時30分・終業時間は現行とする。
   B 休憩時間を60分とし,始業時間は現行・終業時間を17時30分とする。
こうした各方法については,職員の昼食時間の課題はもとより,家庭生活とも密接に関わる課題でもあることから,組合員の意向を調査した上で,組合としての対応を検討することとし,10月に組合員アンケートを実施しました。
(3) 組合員の意向については,各単組毎にバラツキはあったものの,総体として,休憩時間を現行の45分から60分に延長し,その15分を終業時に延長するという結果となりました。
市労連としては,その意向を尊重するとともに,@他都市において,休憩時間を45分にした際に,飲食店関係の団体から休憩時間の延長を求める要請が出されていること,A15分延長することによって,若干でも市民サービスの向上につながるということも考慮し,休憩時間60分,終業時間を15分延長(変則勤務時間職場等を除く)することが望ましいという執行部の考えをまとめ,それを基に各単組での討議・意見集約を行うこととしました。
(4) 職場集会等では,休憩時間の60分への延長については,特に反対的な意見はなく,また,終業時間の延長については,子供を保育園に預けている方から,終業時の延長は,通常の保育時間に迎えに行くことができず,少しでも遅れると延長保育が余儀なくされるという問題が出されましたが,大勢的には執行部の考え方に理解をいただきました。
しかし,今社会に求められている仕事と家庭の両立支援の課題も踏まえると,職場集会で出された保育園への迎えの問題等に係わる意見については,何らかの対応策が必要であることから,継続協議課題となっている「育児・介護を行う職員の早出遅出勤務」の制度を参考に,その導入に向けた検討のための試行や終業時間の変更に伴って,育児や介護に支障を来す場合に,15分の早出勤務を試行的に実施することを当局に求めました。
(5) 当局側も,その制度の試行について理解を示したことから,休息時間の廃止と,それに伴う休憩時間の延長と終業時間の変更について,1月29日に合意しました。
また,始業時間が8時45分以外の職場や変則時間勤務の職場については,その業務や職場実態を精査した上で,始業・終業時間を設定しました。

4 2008国民春闘の総括

(1) 2008国民春闘は,連合・自治労に結集して,春闘相場形成支援と国民的政策・制度要求の前進に向けて取り組みました。連合は,08春闘を二極化・格差社会の是正を図る取り組みと位置づけ,マクロ的に労働側に実質1%以上の成果配分を目指すとし,月例賃金を重視した賃金改善を積極的に取り組むとともに,未組織,中小,パートなどの低所得者層を重視して取り組みました。
春闘結果は,大手では3年連続でベアを引き出し,連合 740組合の集計では,定昇込み 6,225円,2.03%増(対前年 134円,0.03%増)と,引き続き賃金改善を獲得した組合が増え,昨年実績を若干上回る回答を引き出しました。しかし連合は,3年連続の賃金改善を行い,その流れを定着させたことは今後の運動につながると評価しつつも,9年連続で平均賃金が低下している中で,その低下傾向に歯止めをかけることができたかなど,賃金水準そのものについての検証が必須としています。
また,引き続く中小・地場の闘いも,昨年実績を上回り,パート労働者の時給改善にも波及したほか,改正パート労働法の活用の一環として設定した重点項目である正社員への転換制度などは,多くの組合で前進しました。
(2) 公務員連絡会は,政府・与党による公務員総人件費削減政策に対して,@格差是正とワークルール確立,Aよい社会をつくる公共サービス確立キャンペーン,B公務員給与の社会的合意再構築,C公務・公共部門労働者の賃金水準の改善,D労働基本権確立・民主的公務員制度改革を課題に掲げ,中央行動や2次の全国統一行動を配置して取り組みました。
また,2008春季要求書において,官民比較方法の再度の見直しを行わないことをはじめ,公務員給与水準の改善,所定勤務時間の短縮,非常勤職員等の雇用と処遇の改善などを強く求めました。
3月19日に行われた総務大臣と人事院総裁との最終交渉では,特に,一昨年に見直された官民比較方法をめぐって,「まずは給与構造改革に着実な実施が肝要」との姿勢を示し,政府からの更なる見直し要請に対して,毅然とした態度を示さなかったことや,昨年の人勧不完全実施の経過を受けて,完全実施に向けた明確な姿勢を示さなかったことなど,公務員連絡会が求めた要求には応えない不満な回答となりました。
(3) 自治労北海道本部は,春闘と連動して,08当初予算闘争に全力あげるとともに,@生活の維持・改善を図る賃金水準・制度の実現,A臨時・非常勤等職員・公共サービス民間労働者の格差是正と自治体最低賃金の制度化,B技能労務職員賃金の現行水準の維持,C委託契約労働者の賃金・労働条件の改善,D勤務時間見直し反対・労働時間短縮,不払い残業一掃,各種休暇制度の新設・充実,E真の三位一体改革の実現・地方交付税の削減反対,F地方公務員法等改正案反対の取り組み,G組織の強化・拡大の8点を重点課題を設定して取り組みました。
道内の状況では,2008年4月1日現在,財政危機を理由として,基本賃金や一時金の独自削減が 181自治体のうち 117自治体(64.6%)で実施されています。地方交付税の削減等により,厳しさを増す地方財政に加え,今後,さらに自治体財政健全化法を意識した自治体当局の動きや財政悪化を理由とした合理化提案が想定され,賃金・労働条件を守る闘いを強化していかなければなりません。
(4) 市労連は,2月8日開催の第1回中央委員会で春闘方針を決定するとともに,2月20日春闘要求書を提出して,春闘期における対自治体闘争の取り組みをスタートしました。
重点課題を,@確定交渉に向けた前向きな姿勢を引き出す,A新たな昇給制度への対応,B不当な人員削減・賃金合理化の阻止,C再任用制度の早期条例改正に向けた具体的協議姿勢を引き出すなどとして,3月7日をヤマ場に設定して交渉を強化してきました。
2月27日に市労連交渉を行い,当局から,@給与については,基本的に人事院勧告を尊重していきたいと考えているが,国における取り扱いを基本としながらも,道の人事委員会や他都市の状況も勘案した上で協議したい,A新たな昇給制度に係る具体的な内容については,現在,試行している人事評価制度の課題を整理し,制度内容について労使協議を進めたい,B再任用制度については,昨年11月に再開した労使での検討委員会で,具体的に検討・協議を進めるとともに,市民の理解と納得が得られるよう,引き続き努力したい,などの回答が示されたほか,一昨年の給与制度の見直しで課題となった主査職の拡大や休暇制度の充実,職場安全衛生委員会の機能化やメンタルヘルス対策の充実についても,一定の回答を引き出しました。
市労連執行委員会では,@確定交渉に向けて前向きに検討・協議していく姿勢を示させた,A道内でも多くの自治体単組で基本賃金等の独自カットがかけられてきている中で,独自カット等の合理化は提案させなかった,B再任用制度については,労使検討委員会で具体的に協議していく姿勢を示させたことなどは,春闘段階での対市交渉としては一定の成果である判断し,各単組での機関手続きを経て,妥結しました。
同時に,引き続く,中央段階での闘いへの結集や,地場の民間労組の春闘支援の闘いを展開していくことを確認して,自治労や地区連合からの要請に基づく諸行動に取り組みました。
しかし,春闘全体の取り組みとして,地方財政の確立などの課題を含めた地域ビラ配布行動や,自治労・連合の各種集会への参加などに取り組みましたが,支部間の格差や全体で取り組んでいる状況は作りきれていません。早い段階から,民間の厳しい状況や春闘の意義などを含めて,広報の充実と工夫をしながら,全体で取り組む体制を作っていかなければなりません。
(5) ストライキ批准投票は,74.6%となり,批准率で1.1ポイント,賛成率で0.5ポイント下回りました。あらためて,批准投票の意義と目的を明確にし,高批准をめざさなければなりません。

5 2008人事院勧告期の取り組みの総括

(1) 2008人勧期は,総人件費削減政策のもとで配置転換や独立行政法人の整理合理化などが進められ,加えて,昨年の人事院勧告の閣議決定の際に,官民比較方法の見直しをあらためて人事院に要請するなど,政府の公務員給与抑制策がさらに強められている中での取り組みとなりました。
公務員連絡会は6月20日,公務員給与の改善勧告,非常勤職員の処遇の抜本改善,実効ある超勤縮減策,所定労働時間短縮の実現などを重点課題とした2008人事院勧告に関わる要求書を人事院総裁に提出して人勧期の取り組みをスタートしました。
この中で,公務員連絡会は,公務員労働者は職務遂行のため恒常的な長時間労働を余儀なくされ,健康の維持に支障を来しかねないほどの状態にあり,給与・勤務条件の改善を切望する声は例年以上に高まっていることを指摘しました。さらに,報告・勧告にあたって,昨年からの懸案である所定勤務時間短縮勧告を必ず実現するとともに,@民間相場を正確に反映した公務員給与の改善勧告,A非常勤職員等の雇用や処遇改善のための施策提言,B新たな人事評価制度への積極的対応などの当面する重要課題について,中立・第三者機関としての機能を十分に果たし,解決するよう求めました。また,2009年度から新たな人事評価制度が本格的に実施され,任用や給与などの人事管理に活用されることから,職員に信頼され納得できる公平・公正な制度をつくり,円滑に実施することなど,本年の勧告期の課題について十分交渉・協議し,合意に基づく報告や勧告を行うよう求めました。
以降,2次の中央行動や3次の全国統一行動を設定し,対人事院交渉を展開してきました。
(2) また,自宅所有者の住居手当の廃止問題が大きな課題となりました。昨年の勧告で国家公務員に対しては,「廃止を含めて検討」という姿勢であり,仮に廃止されれば,地方公務員における支給根拠が消滅することから,その取り扱いを慎重にするよう人事院に求めましたが,交渉では,依然として,その姿勢の変更は見られずに,極めて厳しい状況で推移しました。公務員連絡会では,金額はわずかであっても自宅所有者の住居手当を残させることを最低限の目標として対策を強めつつ,総務省への対応を含めて両にらみの対策を行ってきました。
(3) 市職労としても,人事院勧告期の取り組みについて,自治労・公務員連絡会に結集して闘うこととし,特に,人事院要請大型ハガキ行動や一時金の現状維持と住居手当(持家)の存続の緊急打電行動,組合員への中央交渉の状況の周知などに取り組んできました。
(4) 人事院勧告は8月11日に出されましたが,一度は7日に勧告日が予定されていたところ,直前になって首相の日程が確保できないとして,勧告日が変更となるという,過去にない事態が生じました。公務員連絡会は強く抗議し,人事院からは陳謝と勧告内容に変更がないことを確認しました。
勧告内容は,民間との較差がほとんど生じなかったため,2年ぶりに例月給与・一時金の改定は行われませんでした。また,諸手当についても較差が生じていない中では見直すことができないとして現状維持を勧告しました。ガソリンや灯油価格の急激な値上がりなど,生活物資全般にわたる諸物価の引き上げが相次ぐ中で,公務員労働者の生活の維持・改善という観点からは極めて残念な勧告内容となりました。
しかし,一向に収まらない公務員バッシングの嵐に加え,長期にわたった景気拡大局面が終焉したとされる情勢下で,最終段階まで一時金の削減や自宅所有者の住居手当等の廃止が懸念されていましたが,最終的に現行の支給水準を維持したことは,春闘以降の人事院勧告期の取り組みの成果であると確認できます。ただし,住居手当(持家)については,廃止の方向は変わらず,来年度に結論を導くとの姿勢を明確にしており,一層深刻な事態として受け止めておく必要があります。
また,昨年からの懸案であった所定内労働時間の短縮について勧告が出されたことは大きな成果です。 今後,一昨年の骨太方針2006以降,一方的に地域民間水準の反映が求められている一時金に関わる対策を重要課題として,道の人事委員会への対応を強化していかなければなりません。
(5) こうした状況を受けて,自治体確定闘争も,特に,これまでの人事院勧告尊重ということではなく,北海道の人事委員会勧告の動向も視野に入れて取り組む必要があるとともに,地方財政危機の深刻化と地域経済の冷え込みなどによって,歳出削減が一層強まってくることが想定されており,人件費削減などを阻止をする取り組みが必要です。自治労北海道本部に結集して,北海道人事委員会への対策を強化するとともに,賃金確定闘争の課題解決と要求実現に向けて取り組みを強化する必要があります。

6 2008賃金確定闘争

2008春闘と人事院勧告期闘争の経過を踏まえ,2008賃金確定闘争は市労連共闘を強化し,以下を基本に取り組みます。
(1) 財政難を理由とした基本賃金・一時金のカット等の賃金合理化を許さない闘いを進めます。
(2) 人事院勧告を尊重させるよう取り組みます。
(3) 勤務実績に基づく昇給制度については「4原則2要件」を基本原則として,労使協議・合意を前提として取り組みます。
(4) 再任用制度の早期条例改正と制度運用をめざします。
(5) 具体的な取り組みについては,自治労北海道本部10都市単組代表者会議・都市三者7市労連会議等で情勢分析や他都市の動向を踏まえ,市労連2008年度定期大会で賃金確定闘争方針を確認するとともに,市職労拡大闘争委員会で意思統一して取り組みます。

7 2009国民春闘

2009国民春闘は,官民一体・総労働者の総合生活改善闘争として,連合や自治労の春闘討議に積極的に参加するとともに,賃金や時短等の重点課題や政策・制度要求等に取り組みます。
(1) 人事院勧告に大きく影響がある民間賃金相場の形成支援を積極的に取り組みます。
(2) 年金や医療等の社会保障制度の充実など,国民的政策・制度要求の実現をめざします。
(3) 地区連合や自治労函館市協議会,市労連に結集して,地域要求の実現と地場民間労働者支援に取り組みます。
(4) ストライキ批准投票は,その目的と意義を明確にした上で,広報の充実を図り,高投票・高批准をめざします。
(5) 具体的な取り組みについては,市労連中央委員会で春闘方針を確認するとともに,市職労中央委員会で意志統一をして取り組みます。

8 地域要求・政策課題への対応

地域要求・政策課題に対しては,この間,安心・安全に暮らすことのできる地域づくりをめざし,地区連合に結集しながら取り組んできました。特に,函館市予算編成に係る政策・制度要求については,地区連合政策委員会に役員を派遣して,その中心的な役割を担ってきました。
引き続き,地域に働くなかまと連携しながら,住みよいまちづくりをめざして取り組みます。また,市職労独自にも,職場改善要求の運動の中で,政策課題についての具体的な要求や運動を展開します。

9 年金制度改革の取り組み

(1) 年金制度に関する国民からの信頼感は大きく揺らぎ,未納者の増加に歯止めがかかっていない状況の中で,その信頼回復に向けて「年金記録問題」の解決が何よりも求められています。
自治労では,年金の抜本的な改革に向けた取り組みを求めてきましたが,今後も安心できる年金制度の構築に向けて,年金記録問題の早期解決と従来の届け出主義に依拠しない利用者の立場に立った執行体制の確立など,あらゆる場面で積極的に意見反映していくことが必要です。
また,自治労は,団塊世代の年金給付開始と少子化による支え手の縮小によって,年金財政が逼迫してくることを踏まえ,公的年金の成熟期を見据えた抜本改革として策定した,「21世紀の年金改革構想」に基づいて取り組むこととしており,引き続き,自治労・連合に結集して,公的年金制度の長期的安定・信頼回復のための年金目的税の本格導入と基礎年金制度の創出をめざすとともに,給付の削減と負担の増加を招く「保険料水準固定方式」と「マクロ経済スライド」の早期撤廃を求めます。
また,雇用の多様化の進展を踏まえ,パート・派遣・臨時・非常勤労働者などへの年金制度の完全適用を進め,制度の担い手を拡大して持続可能性を高める公的年金全体の改革に向けて取り組みます。
(2) 継続審査となっている「被用者年金制度の一元化等をはかるための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」については,公務労協の「新たな公務員制度としての年金の仕組みの制度設計に係る要請書」に基づき,@新たな仕組みの機能を明確にすること,A制度運営には組合員の参加と関与を確保すること,などの実現に向けた対応を,自治労・公務労協に結集して取り組みます。
また,2008年1月に設置された「社会保障国民会議」は,社会保障全般にわたって議論されており,6月に中間報告がされ,今秋に最終報告を取りまとめる予定となっています。
その方向を待って,被用者年金一元化法案の内容が規定されてくると考えられることから,自治労では,公務労協と連携して,@共済組合組織の堅持および民主的運営制度の維持を最重点課題として,A新たな公務員制度としての年金制度の確立,B積立金の主体的・自主的な管理運用の確保を求めるとしています。
市職労としても,公務員共済制度を堅持する立場から,自治労や公務労協などに結集して,自治労等から提起される各種行動に取り組むとともに,北海道都市職員共済組合への対策等を進めます。

V 権利拡大,労働条件改善の取り組み

1 安全衛生体制の確立

市職労は,労働安全衛生対策委員会を中心に,安全で快適な職場と健康管理の増進・実現に向け議論を進めてきました。近年,仕事や職業生活に起因する過重労働,ストレス増加など対処する課題も増えてきており,メンタルヘルスで長期病欠となる組合員が増加傾向にあります。対策委員会では安全衛生体制の取り組みの一環として参加型学習会(講演会)を開催し,メンタルヘルスに関わる基礎的なことについて認識を深めてきましたが,今後も継続的に学習の場を設定する必要があります。
職場の労働安全衛生活動の活性化が喫緊の課題となっています。労使対等で行う安全衛生活動は労働組合の存在感を実感する貴重な活動ですが,残念ながら開催状況が十分でない職場もあることから定期的な開催を求める必要があります。また,「安全衛生月間」に関連し,安全衛生委員会による「職場点検活動」を行い,不備な点や危険箇所を報告するなどの取り組みを強化してきましたが,一部の職場にとどまり今後の課題となっています。一方,昨年調査した「時間外労働等」を把握するための調査結果について,その後の具体的な対応までには至らず,不十分なものとなっています。
安全衛生については,安全衛生協議会において,都市共済事業における検診などの基本的事項や年間スケジュール(健康診断の内容・実施時期)を確認し,各職場安全委員会に対して定期開催を要請しながら取り組んできました。また,公務災害・各疾病等の発生状況の把握に努めるとともに,予防対策などについて協議してきました。
メンタルヘルス対策については,「ストレスチェックの実施」,「啓発用小冊子の配布」「管理職講習会の実施」,「精神保健担当産業医やカウンセラーの配置」,「職場復帰への  支援」など,組合としても積極的に関与してきました。特に,「カウンセリング」の利用状  況や「健康判定審査会」の開催状況などについて,事務局より報告を求め,その内容等を「労安ニュース」で周知を図ってきました。
(1) 労働安全衛生活動の一層強化のため,労働安全衛生対策委員会の機能強化に努めます。
(2) 職場安全衛生委員会の定期的な開催を求めるとともに,安全衛生委員会による「職場点検活動」を行い,職場環境の改善,仕事の進め方の改善を実現します。
(3) 時間外労働等の調査結果をもとに調査分析を行い,その改善策を協議するとともに,継続的に過重労働の実態把握に努めます。
(4) メンタルヘルス対策としては,事務局段階での発症事例や「健康判定審査会」の開催状況などについて報告を求めるとともに,組合としても積極的に関与していきます。
(5) 安全衛生体制の確立に向けて,労働安全衛生を課題とした地域開催の集会や独自の参加型学習会(講演会)の開催に取り組みます。

2 職場改善要求の取り組み

職場改善要求については,支部アンケート用紙の活用や職場集会を開催して,意見集約などの取り組みを進めてきましたが,集約状況は支部間によって格差が生じています。また,集約後の要求書作成や,支部交渉の実施については限られた支部にとどまっているなど,執行部と支部との連携が不十分だったことから,取り組みとしては不十分な結果となりました。
職場改善要求は,労働運動の基本と再認識し,厳しい財政状況にあっても,労働安全衛生上必要な要求や職場環境の改善などに取り組むことで,組合員はもとより市民が利用しやすい市役所を創ると言う視点に立って取り組みを強化していかなければなりません。
(1) 組合運動の基本と再確認しながら,職場環境の改善や働きがいのある職場づくりをめざします。
(2) 市民サービスの向上や市民の立場に立った政策・制度要求の実現に向けて取り組みます。
(3) 政策制度要求と職場改善要求の取り組み時期など,支部と執行部で協議しながら運動を展開します。

3 休暇制度の充実

(1) 年次有給休暇については,時間休も含めて職場間で取得状況に格差があることから,各種休暇を取得しやすい環境づくりを,当局に追求します。
(2) 「ライフ・ワーク・バランス」の実現のため,現行の休暇制度の拡充を求めていくとともに,ライフスタイルの多様化に対応できるよう,新たな休暇制度についての調査・研究に取り組みます。

4 事前協議制の拡充

事前協議については,十分な職場議論が保証されるよう,引き続き早期の申し入れを当局に求めていきます。

5 欠員補充への対応

今年度当初においては,定数配置を確保するとともに,職場実態や業務実態に対応した過員配置も一定行うことができました。一方で,年度途中の退職等により,欠員を生じている職場もあることから,欠員の際の対応はもとより,より一層の職員数管理の徹底を求めていきます。

6 人事政策への対応

(1) この間,住民ニーズに適うべく,各職場における適材・適所,適正な人員配置を求めてきました。一方で,行財政改革にもとづく職員定数の削減が毎年進められてきており,業務実態と組織体制がフィットしているかどうか,精査していく必要があります。
一方的な人員削減を許さないとともに,団塊世代の大量退職を踏まえながら,中・長期的な組織構成を見据えた採用・配置を追求していきます。あわせて,職場段階においても,現在の業務内容や執行体制についての議論を深め,必要に応じて改善を図っていきます。
(2) 依然として,時間外勤務を強いられている職場も存在することから,組合としても各職場状況の把握に努め,連合や自治労が目標に掲げている「年間総実労働時間1800時間」の実現に向けて,「ノー残業デー」の徹底をはじめ,超勤縮減に実効ある対策を講じるよう当局へ追求します。
(3) 今年4月から試行が始まった「育児・介護に係る早出勤務制度」の取得実態について検証し,将来的な「早出・遅出勤務制度」導入に向けた運用面の課題等について精査します。
(4) 人事研修体制について,内容の充実や対象の拡大など求め,改善を図ってきましたが,多様化する住民ニーズや複雑・高度化する業務へ対応するため,各職場別の業務研修や横断的研修の一層の充実を求めていきます。
(5) 国で導入済みの「育児短時間勤務制度」について,仕事と家庭の両立支援の観点から導入の必要性を踏まえつつ,実施にあたっての課題等について調査・研究を進めます。

7 人事評価制度への対応

新たな人事評価制度は,国家公務員においては2006年1月から試行が始まり,2007年6月に成立した国家公務員法の一部改正により,@能力・業績の把握による勤務成績の評価,A任用,給与,分限その他人事管理への活用,B定期的な人事評価の実施などを明確に定め2009年4月から施行の見込みです。
地方公務員法の一部改正案も,国と同様の人事評価制度の構築を内容として,2007年5月に通常国会に提出され,現在,継続審議されています。こうした動きを背景に,新たな人事評価制度を検討・導入している自治体は急速に増加しており,函館市においても,新たな昇給制度や総括主査・主任への任用などへの反映を目途として,現在,試行を行っていますが,今後,その検証や課題の整理を行うとともに,制度内容について,労使協議を行うこととなっています。
組合としては,新たな給与制度の中で,何らかの制度は必要であると考えていますが,特に,昇給への勤務実績の反映については,広く公共サービスを担ってる自治体の中では,評価自体の難しさに加え,公平性や透明性,客観性や納得性が確保できなければ,職場内での差別や分断を招くことも考えられることから,安易に導入すべきではないと考えています。
このため,人事評価制度に対しては,十分な労使協議,合意を前提とすることとし,下記の5点を重点に取り組みます。
(1) 国の試行実施状況を見極め,拙速に導入しないこと。
(2) 人事評価制度は労使交渉事項であること。
(3) 人事評価制度は原則として人事任用に活用すること。
(4) 人事評価の結果は賃金制度と直結しないこと。
(5) 具体的な制度は「4原則・2要件」を担保すること。

8 高齢者雇用対策の取り組み

(1) 再任用制度については,春闘期・確定期の重点課題として市労連交渉を行ってきており,当局に制度の必要性や努力姿勢は示させたものの,厳しい経済状況や雇用環境の中で,2008年度も制度を発足することはできませんでしたが,2007年11月に労使での検討委員会を設置し,制度の具体的内容等について協議を進めるとともに,2008年8月には組合員の意向調査を実施しました。
依然として,厳しい経済・雇用状況にはあるものの,2006年度から民間での60歳以上の継続雇用が義務化されたことや,満額年金の支給開始年齢が,2007年からは64歳と引き上がっていることから,検討委員会で賃金や労働条件等について,十分に検討・協議を進めるとともに,道内各単組の状況等の把握と連携しながら,確定闘争の重点課題として取り組み,早期条例改正と制度運用をめざします。
(2) 2007年の人事院勧告において,2013年度以降の部分年金の段階的な引き上げを目前に控え,公務員の新たな高齢期の雇用対策について報告され,昨年9月に「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」が設置されました。その検討の方向として,@定年制の廃止,A定年延長,B再任用の義務化を中心に検討を進め,2009年7月を目途に研究の成果をまとめ,その後の人事院勧告に反映される見通しとなっています。
雇用と年金を接続させるため,公務員労働者の高齢期の生活の安定を保障する高齢者雇用施策について,定年延長を基本とした制度改正が実現するよう,自治労・公務労協に結集して取り組みます。また,函館市として,現行制度としての再任用制度の導入の検討とともに,新たな高齢者雇用のあり方(定年延長等)も視野に入れて検討を進めます。

9 公務員制度改革と労働基本権確立の取り組み

(1) 公務員の労働基本権問題については,2006年7月に政府と労働界の両者により設置された「専門調査会」で検討が進められ,昨年10月に「非現業国家公務員へ協約締結権を付与する」ことが確認されました。また,本年2月には,公務員制度の総合的な改革に関する懇談会報告でも,労働基本権問題について同様の報告がされました。
(2) これらを受けて,4月4日に国家公務員制度改革法案が閣議決定されましたが,その法案の内容は,労働基本権の付与について明確な方向性を示しておらず,当時の渡辺行革担当大臣も「労働基本権の付与を否定したものではない」という消極的な見解であったことから,自治労は連合や公務労協,さらに民主党をはじめとする各政党への要請行動を強化してきました。
5月28日には,民主党と与党の協議に基づき基本法案に対する修正案が衆議院に提案され,政府法案に対し,労働基本権について「検討する」から「自律的労使関係制度を措置する」などの修正を行っており,その後29日に開かれた衆議院本会議,さらに6月6日の参議院本会議において法案が可決され,「国家公務員制度改革基本法」が成立しました。
(3) 今回成立した「基本法」は,国家公務員制度改革のプログラム法でありますが,公務員の労働基本権のあり方についても示されており,政府内に設置された「国家公務員制度改革推進本部」の検討状況を把握しながら,条文に規定されている「3年以内の法制上の措置」を目標に具体的な取り組みを進めていく必要があります。より良い制度設計となるよう,引き続き,連合や公務労協に結集しながら,今後提起される各種の取り組みに積極的に参加します。

10 男女平等参画社会に向けた取り組み

男女平等は,経済・社会・組織の持続可能性の基盤であり,男女の基本的人権・労働権を保障し,より良い社会の実現に向けた必要不可欠なものです。男女平等参画はいまや,あらゆる分野・領域で国際社会の奔流となっており,市職労運動の各課題の取り組みも,男女平等参画社会の実現に向けた取り組みであり,組織の活性化の要です。すでに超少子・高齢社会により,人口減少社会に突入しており,少子化対策・次世代育成対策が政府の戦略課題となっていますが,雇用における男女平等を基礎とした職場での「ライフ・ワーク・バランス」を活かす取り組みが重要です。
男女平等意識の育成を図るための「アンケート調査」を実施し,職員間の男女の待遇不均衡はさほど感じられない反面,介護・看護と言った休暇拡充の意見が出されるなど,新たな視点に立った取り組みが必要です。
(1) アンケート結果から,職員間における男女平等が一定程度図られていることが読み取れますが,一方で新たな課題もあることから,今後はアンケート項目を整理して,再度調査する方向で検討します。
(2) 「仕事と家事・育児・介護」の両立支援により,労働者の仕事と生活のバランス(ワーク・ライフ・バランス)を図ることが国際的に関心が高まっており,各種制度導入の可能性や運動のあり方について検討します。
(3) セクシャル・ハラスメント対策では,セクハラに関する相談を受付する苦情相談窓口を設け,労使において「苦情処理委員会」が設置されておりますが,実際に利用するまでは至っていません。今後,委員会を通じて相談しやすい体制づくりを追求するとともに,形骸化しないよう,体制のあり方や運営など今後の取り組みについて検討します。

W 平和運動・政治活動の推進

1 平和運動の推進

(1) 憲法擁護・平和と人権を守るたたかい

政府は,1997年の新ガイドライン制定以降,周辺事態法や国旗国歌法,有事関連法,国民保護法など,反動的な法律を次々と成立させてきました。2006年12月には教育基本法が「愛国心」を盛り込んだ内容へと改悪され,「個性の尊重」の荒廃や「道徳」として政府の一方的な思惑を押し付ける教育への転換が危惧されています。こうした反動的な流れは,共謀罪の制定に向けた動きにも見られるように,物言わぬ労働者,国民を創り出そうとする動きとも密接に関わっています。
自民党は,2005年10月に「新憲法草案」を発表し,「集団的自衛権の行使」や「自衛軍」の保持を主張しています。2007年1月には「防衛省」を発足させるとともに,自衛隊法の改悪により海外派兵を本来任務としました。自衛隊イラク派兵についても,2008年5月に名古屋高裁の違憲判決が確定したにもかかわらず,航空自衛隊は現在も期間を延長して活動をし続けています。2007年11月のテロ特措法の期限切れにより,一度は帰国していた海上自衛隊についても,2008年2月に新法を衆議院の再可決により成立させ再びインド洋へ派兵しています。憲法に反する事実が積み重ねられる中で,2007年5月には,改憲のための「国民投票法」が,十分な議論が尽くされないまま成立しました。単に手続法を定めるだけでなく,憲法改正要件を緩和する内容となっています。施行は2010年5月18日であり,この間に憲法審査会が国会に設置されるなど,施行直後の改悪に向けた具体的な動きが作られています。
こうした背景には,海外権益の拡大による市場の維持安定のため,軍事力による秩序安定を求める財界からの動きと,自衛隊を海外展開しうる体制づくりを目指す政府の意図が連動していることを見逃すことはできません。歴代の首相による靖国参拝や,侵略戦争の歴史的事実を否定する発信など,戦争責任と歴史認識をあいまいにし,戦争を美化しようとする動きが強まっており,2007年3月には2008年度から使用する高校教科書検定において,沖縄戦における当時の日本軍の自決強要に関する記述をめぐって,文部科学省が修正を命じました。
世界的な米軍再編の中で行われた在日米軍基地の機能・訓練,全国への拡散・強化を進めています。地域住民の反対が強い状況であるにも関わらず,政府は名護市辺野古沖への基地移転や岩国基地強化を強く進めています。また,政府は2007年5月23日「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法」を自民・公明両党の賛成多数で可決・成立させ,米軍施設などを受け入れる市町村に,その度合いに応じて交付金を出して協力を促す「再編交付金」制度を創設するなど,補助金をちらつかせながら基地強化を強いています。基地のある地域では,米兵による暴行事件があとを絶たず,「日米地位協定」の壁によって住民が一方的に犠牲となる実態もあります。さらに原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀母港化が2008年9月に強行されました。道内でも,該当自治体が容認した在日沖縄米軍戦闘機の千歳基地での移転訓練,矢臼別移転訓練についても,騒音・米兵外出問題・夜間訓練問題など懸案事項の解決と,演習中止を求める継続的な運動を強めるとともに,基地の縮小・撤去と日米地位協定の抜本的見直しを求め,沖縄県をはじめ,基地に苦しむ住民との連携を強める必要があります。
@ 「5.15沖縄平和行進・普天間基地包囲行動」に代表を派遣し,基地返還・憲法改悪反対を訴えるとともに,地域の中で平和の輪が広がるよう,連合や平和運動フォーラムに結集して各種運動に取り組みます。
A 「国民主権・戦争放棄・基本的人権の尊重」といった憲法理念を守り発展させる運動を進めます。
B イラクに駐留する航空自衛隊の早期撤退を求めるとともに,ミサイル防衛システムの導入や武器輸出三原則の見直しなど,軍備拡大につながる動きに反対します。
C 軍事行動への協力につながる米軍艦艇の函館港入港を拒否するよう,市に求めるとともに,非核平和条例制定など戦争非協力政策の確立を求めます。
D 組合員に対して,戦争の悲惨さや平和の意義を訴え,平和運動を拡げていくために,青年女性部とも連携しながら学習会等を開催するなど,意識の高揚に努めます。

(2) 反核・脱原発のたたかい

2005年の核不拡散条約(NPT)再検討会議では,ブッシュ米政権の単独行動主義による核軍縮義務への消極的な態度により,核軍縮の課題を前進させることはできませんでした。また,米印原子力協定の動きなど,NPTによってかろうじて支えられている核軍縮・不拡散の国際的枠組みが危機に直面しています。
さらに米国は,先制攻撃戦略を堅持し,国際的な法や世論を無視して,イラクやアフガニスタンへの武力侵攻,小型核の開発研究計画を進めており,また,対弾道ミサイル制限条約(ABM条約)からの一方的脱退・破棄に続き,同盟国とのミサイル防衛構想(MD)の推進など,新たな核軍拡の流れをつくり出そうとしています。
日本政府は,被爆国の責務として積極的に世界に先駆け,平和と核軍縮政策のリーダーシップを取ることが重要です。福田政権(当時)はテロ特措法の延長を強行し,積極的にアメリカの世界軍事戦略のシステムのなかに加わろうとしています。なかでも,ミサイル防衛構想(MD)の積極的な開発と導入は,アメリカの核の傘とあいまって,東北アジアに新たな軍拡の道を開き,不安定要因をつくり出すものとなっています。
日本の原子力政策は大きな転換点を迎えています。高速増殖炉を中心とした核燃料サイクル計画方針は,50年近く経った今もなお実現していません。欧米先進国では,早期に技術・経済・安全面の困難さから撤退しており,日本の政策もすでに破綻していると言えます。その事実を隠ぺいして,六ヶ所再処理工場稼働,もんじゅの再開,プルサーマル計画の推進とプルトニウム利用策に固執している政府・電力会社の姿勢を,変えさせなければなりません。
特に,大間原発においては,経済産業省が4月23日,電源開発に対して全ての燃料にMOXを使う同原発の設置を許可しました。電源開発は5月に着工し,2013年3月の運転開始をめざしています。全炉心にMOX燃料を使う原発は,世界でもはじめてであり,核燃料サイクル政策の中枢を担うものとして位置づけされています。同原発は,津軽海峡を挟んで,函館まで最短で18qであり,遮蔽物のない地理的関係の中での事故が起きれば,渡島半島全体が大きく被害を受ける可能性があります。この間,市民団体や平和運動フォーラムが中心になって署名活動や各種反対集会を開催してきており,6月19日には,経済産業省へ設置許可の異議申し立てを行いました。今後,却下された場合には許可取り消しを求める行政訴訟と,原発の建設差し止めを求める民事訴訟を起こすこととしています。市職労としても,市民団体等と連携して反核燃運動を取り組む必要があります。
G8洞爺湖サミットでは,温暖化防止に向けた具体的な数値目標は示すことができず,一方で原発推進の議論がされ終了しました。日本は自らの削減目標の実現にむけて,新エネ・再生可能エネの導入政策の確立と,省エネルギーの推進を結合した「脱原発社会」の実現に取り組む必要があります。
@ 原水禁世界大会(ヒロシマ・ナガサキ大会)に代表を派遣し,反核・平和のたたかいの一層の連帯・強化を誓い合うとともに,地域では,反核・平和の火リレーに積極的に取り組みながら反核意識の高揚を図ります。
A 泊原発3号機プルサーマル計画や,幌延深地層研究センターの核施設化,さらに下北半島の核半島化に反対するとともに,連合や平和運動フォーラムに結集し,さらに市民団体等と連携して各種取り組みを進めます。
B 地球温暖化に関連して,「原発が地球温暖化対策の切り札」というようなキャンペーンがなされています。しかし実際に原発を増やすことは,電気の需要に合わせて供給するために小回りのきく火力発電などを増やすことになり,むしろ温暖化を進めてしまうといえます。地球温暖化を防止するためにも,脱原発による「小エネルギー社会」の実現に向けた政策転換が求められています。分散型エネルギーとして自然エネルギーを積極的に拡大していく取り組みを自治労に結集して進めます。

2 政治活動の推進

(1) 政治活動の推進

市職労政治活動の基本原則である「思想・信条の自由を保障し,政治活動については,説得と納得を基本とする」という立場を明確にした上で,運動を進めてきており,その必要性についても,組合員の理解を深める中で様々な取り組みを積極的に展開できたことは成果としてあげられます。
組織内議員との連携については,組合員との親睦の場であるパークゴルフ大会やビアパーティーなどを開催して交流を深めていますが,各職場や支部単位での懇談会や政策議論については不十分となっています。
政治活動は,私たちが求める社会形成や政策・制度要求を実現していくために,欠かすことのできない運動であり,私たちと価値観や目的が共有できる政党・議員との友好・共闘関係を築くとともに,組織内議員とは,地方自治のあり方や政策・制度に関わる要求,地方財政などについての意見交換や懇談会を開催するなど,一層の連携を図り,そうした中から政治活動の必要性をさらに深めていきます。

(2) 第45回衆議院議員選挙の取り組み

福田首相は,農政や食の安全に対する不信・不安を生じた三笠フーズ汚染米事件を大臣・事務次官の辞任で済ませ,厚生年金で発覚した新たな不正問題や後期高齢者医療制度の廃止要求にも何ら的確な対応を取ろうとしない中で,9月1日に突然退陣を表明しました。
今後の政権運営に展望が開けなくなり,政権を投げ出したというのが真相だと考えられますが,解散戦略を描けずに行き詰まり,「自分より支持率の高い総理・内閣のもとで総選挙」という党内利益を最優先した国民不在の政権のたらい回しだと言えます。 9月24日に麻生自公政権が発足しましたが,マスコミは,「二世・世襲」,「お友達」,「論功行賞」内閣と論評するなど厳しい評価を下しているほか,中山国交大臣の「放言」による大臣就任5日後の早期辞職,河村官房長官の「事務所費問題」も発覚するなど麻生首相の任命責任が問われる事態が頻発しています。
国民は,世論調査の結果でも明らかなように,自公政権への批判を強め,民主党を中心とする政権交代を求めていると言えます。
疲弊した国民生活,非正規の不安定労働者の増大,食料基地北海道を取り巻く厳しい農林水産業,自治体財政の危惧と崩壊しつつある地域医療など,これらを根底から変えていくためには,新しい政権を実現して,新しい政治を始めていく必要があります。
市職労では,2007年11月26日開催の第3回中央委員会において,次期(第45回)衆議院議員選挙に,第8区選挙区に組織内の金田氏の後継として,自治労組織内の「おおさか誠二」氏と比例代表北海道ブロックに「民主党」を推せんして闘うことを決定しました。
衆議院の解散・総選挙の日程は不透明ですが,自治労や地域とも連携して,推薦候補者の完勝を目指します。

D 組織・財政の強化

T 第14次組織財政強化3カ年計画の推進

 組織財政強化3カ年計画は,単年度では整理することが困難で,中・長期的な取り組みが必要な課題について方針化するものです。昨年度が第13次計画の最終年度であり,今年度からの新たな計画を策定し,具体的な運動を展開することになります。
この間,事務事業・組織機構の見直しをはじめ,さまざまな諸課題への対応を図るため,執行部・書記局体制の強化と,支部・分会との連携強化に取り組んできましたが,あらたに策定された「行財政改革新5か年計画」への対応など,今後も一層の組織強化に努めていく必要があります。団塊世代の大量退職や新規採用の抑制などを踏まえ,次代を担う活動家の育成も急務の課題です。
また,公共サービスを担う労働組合として,安心できる地域公共サービスの確立に向け,住民と一体となって,自治体改革運動を進めていくことも求められています。この観点から,重要かつ効果的な方策である自治研活動を活性化していくことが必要です。
組合員にとってより身近な活動である福利厚生活動について,現在の取り組み方法や各種制度内容が,組合員のニーズとマッチしているか,随時検証していかなければなりません。必要に応じて,改善を図っていくことも求められます。
組合財政について,これまでも長期的財政推計を立てながら,経費の削減や効率的な運営に努めてきました。しかしながら,今後も職員定数の見直しが予想され,組合員数の減少も不可避な状況であることから,厳しい財政運営を強いられます。引き続き,適切・適正な財政運営に努めるとともに,将来的な組合財政についての議論を進めていきます。

U 組織強化の取り組み

1 広報活動の充実

機関誌「こどう」については,昨年度年間37号を発行して各種情報の提供に努めてきました。また同様に,市職労ホームページにも「こどう」の内容を中心に掲載し,随時更新を図ってきました。一方,機関誌編集委員会を開催できなかったため,現行の発行体制や内容の検討ができなかったことは反省しなければなりません。
機関誌編集委員会の活性化に努め,「こどう」の内容充実や,魅力あるホームページの活用を図りながら,「こどう」とホームページの一体的な広報体制の構築を図っていきます。
また,機関誌やホームページ以外の広報媒体の可能性について,議論を深めていきます。

2 各種行動への参加体制の確立

集会や署名など諸行動については,依然として支部間における較差が顕著です。担当執行部が日常的に職場との連携を深めながら,要求実現のための運動意義について理解が浸透するよう取り組みます。

3 機関会議・支部体制の確立

支部・分会組織は,市職労運動の基本であるとの認識に立ち,執行部が連携を強化するなかで,組織体制の確立を図ります。あわせて,支部大会や執行委員会の定期開催を追求していきます。

4 運動の担い手の育成

この間の職員数削減や団塊世代の退職を迎え,今後も組合員の大幅な減少が見込まれます。
組合運動を率先する役員の育成が,組織の維持・強化にとって不可欠であることからも,執行部と支部・分会との連携を密にしながら,引き続き,活動家の育成に努めます。
特に,将来を担う青年組合員や,女性組合員からの積極的な役員登用を目指します。

5 執行部・書記局体制

 執行部の任務分担は別表のとおり,書記局体制は次のとおりとします。
   <休職専従役員>
     渡 部 広 幸(副執行委員長,学校支部)
     鎌 田   保(副執行委員長,南茅部支所支部)
     川 村 俊 一(書記次長,福祉支部)
   <書 記>
     伊 藤 真理子(庶務,会計)
     鳴 海 麻 菜(労金,労福,賛助会)
     後 藤 陽 子(自治労共済)
   <上部団体等派遣役員>
     金 田 文 夫(自治労本部書記長,離籍)
     川 村 哲 也(自治労本部現業評議会清掃部会副部会長,在籍)

6 補助機関の強化

(1) 現業評議会の活動

役員改選の遅れや統一自治体選挙闘争への対応などによって,独自の活動としては不十分なものとなりました。また,環境・学校部会などについては,個別課題等への対応を積極的に行っていますが,福祉・施設部会などの少人数職場への対応では,現業評議会として十分な取り組みになっていません。今後は現業職場全体の課題について,計画的に取り組みを強化することが求められています。
特に,アウトソーシングによる組合員の減少に伴い,新規採用もなく役員を担う組合員が減少しており,働くことに関しての士気の低下が現れて来ています。
このことは単に現業評議会のみの問題としてではなく,市職労全体で現業職場のあり方について議論していく必要があります。こうした課題とは別に,現業評議会として具体的に出来る取り組みを次のとおりとします。
@ 直営の意義や公共サービスのあり方について学習会を開催する中で,個別の課題については,部会を中心としながら全体で議論できるよう取り組みます。
A 各部会が集まって,家族や市民に広く仕事を通したアピールの場(仮称:現評ふれあい祭り)の設定に向け取り組みを進めるとともに,市職労・青年女性部との合同レクリエーションの開催や,独自のレクリエーションについて協議・検討します。
B 道内・他都市との交流を図り,積極的に情報交換をしていきます。
C 本部や道本部,地方本部の主催する学習会や各種集会へ積極的に参加します。

(2) 青年女性部の活動

青年女性部では,次代を担うために「学習・交流・実践」を運動の柱として取り組みを進めてきました。具体的には,新入組合員歓迎会や反戦・反核・平和活動のほか,組織強化を図る取り組みとして,レクリエーション(ボウリング大会)を実施し,「なかま」との交流・連携を深めるよう取り組んできました。
また,地域において産別を超えた学習・交流を深めるために地区連合に結集し,具体的な運動を進めてきました。
一方,「男女共生委員会」の活動については,不十分な状況にありますが,アンケート結果を踏まえての新たな課題が惹起されるなど,今後に向けて議論が必要です。
これからも部員が活動に参加しやすい運動と環境作りをめざします。
@ レクや学習会等を開催して,部員相互の交流・連携を図ると同時に,なかまづくりの場を提供し,なかまの輪を広めます。
A 各種集会等に積極的に参加して,地域や他自治体単組とのつながりを広げ交流を深めます。
B 男女共生委員会において中心的な役割を担い,各種課題に取り組むとともに,教宣紙を発行して情報提供に努めます。

(3) 退職者会の活動

退職者会の自主性を尊重しながら,その運営への協力や会員拡大を図るため,市職労が行う退職時の個別相談会において,周知と募集を行い着実に会員数も増えています。
一方,退職者会独自のレクや旅行会など,参加状況が年々減少傾向にあります。そのためにも,活動内容のさらなる充実が求められます。
市職労としても,引き続き独自の活動を保証しながら,活動の充実を図る世話役活動を進めていきます。

8 共闘の推進

(1) 自治労

@道本部・渡島地方本部には,できるだけ役員を派遣し,その運動の中核を担います。
A自治労函館市協議会の発展と運動強化をめざし,その中核的役割を果たします。
B 道内他単組との共闘は,道本部都市連絡会議や10都市単組代表者会議・都市三者7市労連会議などを通じて,一層の共闘・交流を深めます。
また,道外においても,先進的な取り組みをしている単組とは,積極的に交流の促進と情報交換を図ります。

(2) 市労連

一層の共闘体制を堅持し,統一闘争の強化発展と交渉能力の強化に努めるとともに,引き続き事務局の任を担います。
また,地公3単産(自治労・都市交・全水道)の組織統合について,2007年度の各産別の定期大会において,「地域公共サービス労働組合連合会の結成と加盟について」決定しました。地域公共サービス労働組合連合会(地域公共連合)は,2007年9月11日に結成され,10月の連合定期大会以降,地域公共連合が中央レベルでの連合加盟組織となりました。また,2010年の完全統一に向けて,中央・地方の組織全体の完全統一に係る具体的な課題整理と新組織結成に必要となる諸規定の策定などについて作業が進められてきましたが,自治労は2008年8月の本部定期大会で,産別の名称問題については,「新組織において自治労以外の新たな産別名称を選択する」ことを基本姿勢として,今後の統合協議に臨むことを決定しました。
今後はさらに,綱領や規約,財政等の新組織の根幹に係わる課題の協議が本格化されることとなりますが,中央段階での議論も見極めながら,産別統合の課題や統合後の組織体制・運営のあり方について協議を進めます。

(3) 市立函館病院職員組合

自治労の1自治体1単組という方針を踏まえつつも,この間,当面は共闘・交流を促進することとして,各種課題に対し,日常的に連携して取り組んできました。
しかし,現在,中央段階で,地公3単産の組織統合について作業が進められている中で,同じ自治労である市職労と函病労組の統合問題について,自治労方針に基づき,産別統合前に整理していく必要も生じてきていることから,函病労組とは,組織上の課題や今後の方向性について整理するとともに,組織統一に向けて議論を深めます。

(4) 嘱託臨時職員労働組合

嘱臨労とは,これまで,嘱託・臨時職員の完全組織化に向けた協力・支援を行うとともに,同じ市役所に働く仲間として,労働条件改善を日常的に連携して取り組んできました。一方で,地域公共サービスを担う労働組合として,行財政改革への対応や各職場の抱える課題に対して,より連携して取り組んでいくことが求められていることや,市役所関連業務に従事する労働者の賃金や権利向上と組織強化を目指すため,連合体の結成なども含めた組織のあり方について議論に着手します。

(5) 消防職員協議会

@ 消防職員協議会とは,同じ自治体に働く仲間として,幹事会等への参加や日常的に連携を取りながら活動を進めてきています。
今後についても,一層の連携を取りながら,組織拡大や諸課題の解決に向けて取り組みます。
A 消防職員の団結権問題については,引き続き自治労に結集しながら,その実現をめざします。
B 消防職員委員会の一層の民主的な運営を求めるとともに,要求実現などを支援していきます。
C 政策・制度的な課題についても,共闘できる体制をつくります。

(6) 清掃共闘会議

@ 清掃共闘会議は,委託先労働者の賃金や労働条件に大きく関わる委託料の交渉やエコフェスタの開催,清掃ボランティア活動を中心に取り組んできており,地域的な交流も深めています。今後においても,委託先労働者の賃金や労働条件はもとより,市民団体との連携による,環境問題に係わる取り組みを積極的に進めます。
A 自治労が提起している「廃棄物関連労働者の組織化」については,関連する労働者との交流や運動の中から,組織化に向けた議論を進めます。

(7) 公共民間サービス労働者との共闘

@ 福祉や環境等の公共サービス関係労働者の組織化について,これまでの清掃共闘会議での経験を活かしながら,1人からでも加入のできる「北海道福祉ユニオン」や「北海道環境ユニオン」に組織するよう,道本部と連携して取り組みます。
また,アウトソーシング等による委託先労働者との関わりについて,市民サービスの視点で意見交換を進めるとともに,賃金や労働条件の改善に向けた支援等による共闘体制をつくるなかで,組織化についても議論を進めます。
A 文化・スポーツ振興財団や住宅都市施設公社のプロパー化に伴い,組合組織のあり方について検討するとともに,嘱臨労との組織協議の中で議論を深めます。

(8) 連合・平和運動フォーラム

@ 連合や平和運動フォーラムには,積極的に役員派遣を行い,中核的な役割を担います。また,その運動に対して,市職労の運動が反映されるよう意見反映をしていきます。
A 地区連合内に設置をされている公務公共サービス労働組合協議会には積極的に参加し,当面は公務員制度改革等の公務員労働者全体に係わる課題について取り組みます。

(9) 函労会議

 引き続き,共闘支援カンパ物資の斡旋などを通じて共闘に努めます。

(10) 市民共闘

 市民や市民団体とは,協働行動や行動支援を通じて,共闘体制の発展をめざします。また,賛同できるイベントや取り組みについては,積極的に支援・参加していきます。

(11) 争議を抱えている労組・団体への支援

 労働争議等を抱えている労組等へは,その活動資金のための支援カンパ物資の斡旋に取り組むとともに,支援集会や各種行動には積極的に参加します。

V 福利厚生活動の推進

現在,組合員と家族を取り巻く環境があらゆる面において厳しさを増してきています。そうした中で,家計の見直しによる可処分所得の確保など生活を守る取り組みが重要となってきており,組織強化・拡大の取り組みとあわせて,自主福祉活動の果たすべき役割がより一層高まってきています。
引き続き,自治労共済への加入促進等を図りながら,労働金庫・全労済・住宅生協とも連携を深め,組合員の生活向上をめざします。

1 独自の福利厚生活動

@ 退職予定者への各種説明会や慶弔給付,「港まつり」等の助成制度は従来例年どおり行います。
A 前年度のイベントでは,「市職労夏祭り」をはじめとして,パークゴルフ,ゴルフ大会を実施したほか,青年女性部主催でボウリング大会を行いました。
今年度も「夏祭り」をはじめ,青年女性部や現業評議会と連携しながら,組合員相互が交流できるようなイベントの企画に取り組みます。

2 労金活動の推進

労金活動については,労金推進委員会を随時開催し,また,職場にパンフレット等を配付しながら、新商品の周知や推進活動を行ってきました。その中で,今年3月の退職者を対象とした労金職員との帯同オルグ等を行ったほか,6月には新人組合員を対象に労金・自治労共済の学習会を行い,それぞれ退職手当の獲得や財形貯蓄の加入などについて成果がありました。
引き続き,労金を「はたらくもののメーンバンク」を合い言葉に,推進委員会が職場の世話役としての機能化を図るとともに,労金職員と連携して,各種商品について周知をしながら,利用促進を図り,組合員の生活改善に努めます。

3 自治労共済の取り組み

@ 団体生命共済は,団塊世代の大量退職を迎え,また新規採用も抑制されている状況の中で加入者の退職減を補うことができず,年々加入者の減少が続いている状況です。自治労共済は,加入者を増やすことで安定した運営が図られ,また,それにより制度の優位性の確保も可能となることから,組織全体で加入推進に取り組む必要があります。
団体生命共済は,生活に必要な生命保障(事故や病気の入通院・成人病・手術など)が全てセットされているものであり,他保険と比較しての優位性もPRし,特に若年層へのアプローチを強めながら,加入拡大を図ります。
A 自動車共済は,年齢を問わず全年齢一律掛金であり,また,組合員の失職を防ぐために弁護士費用が支給されることなどのメリットがあります。また,愛車見舞金のワイド型が新設になったことや,24時間の事故受付体制が確立したことなど,新制度の内容もPRしながら,加入拡大を図ります。

4 全労済・住宅生協等との連携

@ 今年も首都圏や東海地方において豪雨による大きな水害が発生し,また,岩手県を中心とした東北地方では,地震により大きな被害が発生しており,大規模な自然災害の多発による生活への不安などが組合員に高まってきています。引き続き火災共済,自然災害共済の必要性を積極的にPRし,加入拡大に向けて取り組みます。
また,自治労退職者に対しての団体生命移行共済や自治労共済と競合しない「自賠責共済」等についても加入拡大に努めます。
A 住宅生協はリフォームや不動産流通部門など住宅全般に事業展開を進めており,それらを周知するとともに,「ろうふく」についても制度内容の広報強化し,利用拡大に向けて取り組みます。

5 職員厚生会の充実

@ 厚生会運営が組合員の意向を反映したものとなることを基本に,幹事・議員は支部・分会役員が率先して就任するよう努めます。
A 職員厚生会では,2007年度に水道局厚生会との統合がスタートしたところですが,引き続き函館病院との厚生会統合に向けて,組合員の要望に沿ったものとなることはもちろん,同時に市民にも理解される内容のものとなるよう努めます。

6 都市共済事業

@ 公的年金制度一元化に伴う,新たな公務員制度としての年金の仕組みの設計にあたっては,自治労・公務労協に結集し,対総務省対策・交渉を強化します。
A 市町村共済組合連合会・北海道都市共済組合の運営にについては,引き続き互選会議へ役員を派遣し,その充実を求めていきます。

W 効率的な財政運営の確立

行財政改革などにより人員の削減が続いており,今後においても組合費収入の大幅減収という事態が避けられない状況となっています。経常経費の節減などを引き続き行い,これまで以上に効率的な執行に努めます。
また,闘争組合費は,2009年度も率を本来の18/1,000を13/1,000として,12月,6月手当時に徴収します。(2003年度から当面の軽減措置として実施)
今後の組合費収入の減収に対応するために,中期的な財政推計を見据えながら,組合運動全体のあり方の見直しも含め,書記局体制(専従役員,書記)や歳出全般(定期大会経費,旅費,行動旅費,費用弁償等)の見直しの検討を行います。
また,自治労共済立替基金特別会計については,基本型の慶弔給付等の共済金が2007年12月1日から,従来の現金支給から組合員本人口座への振り込みに変更になったことに伴い,立替の必要性がなくなったため,この会計を今年度で閉鎖し,全額を財政調整基金に積み立てします。